米石油大手シェブロン、ベネズエラでの石油事業終了、雇用は維持
新たな許可の下では、ベネズエラでの油田運営、石油輸出、事業拡大を行うことはできない。
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トランプ米政権が石油大手シェブロンに対し、ベネズエラでの必要最低限の維持管理を許可するライセンスを発行した。現地メディアが28日に報じた。
これにより、同社はベネズエラの油田に関連する最低限の管理業務を継続できるようになった。
新たな許可の下では、ベネズエラでの油田運営、石油輸出、事業拡大を行うことはできない。これは独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対するエネルギー制裁のひとつである。
米国はベネズエラで操業している石油会社(シェブロン、伊エニ、スペインのレプソルなど)に対し、ベネズエラでの操業と輸出を5月27日までに停止するよう命じていた。このライセンスは予定通り失効した。
なお、ベネズエラの国営石油会社PDVSAはこれを待たずにシェブロンの輸出許可を取り消していた。
シェブロンはベネズエラでの事業運営に必要な石油生産、サービス、調達に関する契約を解除し、その権利をPDVSAに移譲したが、同国のスタッフは維持する計画である。
バイデン前政権は対ベネズエラ制裁の例外として、スペインやインドなどに対し、PDVSAの原油・天然ガスの輸入を認めてきた。
トランプ氏が通知を出して以来、ほとんどの企業がベネズエラ産原油の輸入を停止している。
米国が2019年にベネズエラにエネルギー制裁を科して以来、外国企業がPDVSAと石油・ガスプロジェクトの交渉、計画、開発を行うには、米国のライセンスが必要である。
シェブロンと複数の欧州企業がトランプ政権による対ベネズエラ制裁が強化される中、同国における資産を維持するために米国に許可を申請していた。他の企業が同様の認可を受けたかどうかは明らかになっていない。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。