◎捜査当局は先週、国家転覆を企てたとして、米国のNGOで働く男性を逮捕した。
中央アフリカ共和国の捜査当局が米国のNGO職員をスパイ容疑で逮捕した。現地メディアが5月31日に報じた。
それによると、捜査当局は先週、国家転覆を企てたとして、米国のNGOで働く男性を逮捕したという。
捜査当局はこの男性が反政府勢力と連絡を取り合い、国家の安全を脅かしたと告発している。
また当局はこの男性が同国軍に対する偽情報を拡散し、憎悪を煽り、破壊活動を支援したとしている。
AP通信によると、男性はベルギーとポルトガルのパスポートを所持していたという。
米国に拠点を置く公衆衛生NGO「FHI360」の広報担当はAPの取材に対し、この男性が当局に拘束されたことを認めた。
それによると、男性は先週、中央アフリカ共和国南東部の町で逮捕された。この町は10年以上前から地元の民兵と反政府勢力間の戦闘に悩まされてきた。
中央アフリカ共和国南はイスラム教徒で構成される民兵組織「セレカ(Seleka)」が2013年にボジゼ(Francois Bozize)大統領を退陣に追い込んで以来、内戦状態にある。
この政変後、キリスト教徒で構成される民兵が反撃に転じ、多くのイスラム教徒が処刑された。
国連はMINUSCA(国連中央アフリカ多次元統合安定化派遣団)を派遣し治安維持任務に当たっているものの、現在も国土のおよそ3分の2がセレカや他の反政府勢力の支配下に置かれている。