◎全国の燃焼面積は1989年に記録した7万5596㎢を上回り、過去最悪を更新した。
カナダ政府は28日、全土で延焼中の山火事について、期待していたような大雨は降らず、延焼が続いていると報告した。
西部、北西部、東部の広い範囲で今年発生した山火事の件数は500件近くに達し、そのうち255件が制御不能と判断され、延焼を続けている。
山火事の煙はカナダから米国のイリノイ州南部、インディアナ州、オハイオ州に押し寄せ、ウェストバージニア州の一部でも視界が悪くなっている。
消防当局は28日の声明で、「進行中の山火事は記録を取り始めて以来、最悪規模となり、大気質の悪化は夏まで続くとみられる」と警告した。
公衆衛生当局も同様の見解を示し、「山火事が急拡大した結果、消防・環境当局者をひどく消耗させてしまった」と嘆いた。
気象当局によると、煙は今後数日以内にケベック州とオンタリオ州に流れ込み、大気質をさらに悪化させる可能性が高いという。
米航空宇宙局(NASA)はケベック州北部で発生した山火事の煙がヨーロッパ大陸に到達したと報告している。
それによると、26日に撮影した衛星画像から煙が北大西洋を越えてイベリア半島やフランスなどに到達したという。
全国で490件の火災が発生し、そのうち255件は制御不能とされる。ケベック州当局は州内で110件の火災が発生していると報告した。
全国の燃焼面積は1989年に記録した7万5596㎢を上回り、過去最悪を更新した。政府の推計によると、1月1日以降の焼失面積は7万6129㎢(九州の面積の2倍)に達したという。