◎制裁リストに追加されたのは▽マーテリー元大統領▽ラモット元首相▽セアン元首相の3人。
カナダ政府は20日、中米ハイチの元大統領と元首相2人を制裁リストに追加すると発表した。
ジョリー(Mélanie Joly)外相は声明で、「この3人はハイチ政権の弱体化を企てるギャングを支援した」と非難し、3人がカナダ国内で保有する資産を凍結すると説明した。
ジョリー氏とトルドー(Justin Trudeau)首相はフランス語圏諸国がつくる連帯組織「フランコフォニー国際機関(OIF)」の首脳会議に参加するため、チュニジア南東端のジェルバ島を訪問中である。
ハイチのジェネウス(Jean Victor Geneus)外相は20日、トルドー氏との会談の冒頭、「カナダ政府の制裁は大きな効果をもたらす」と歓迎した。
またジェネウス氏は元首脳3人が制裁対象になったことで、ハイチ転覆を企てる勢力は撤退を余儀なくされると指摘した。
制裁リストに追加されたのは▽マーテリー(Michel Martelly)元大統領▽ラモット(Laurent Lamothe)元首相▽セアン(Jean-Henry Céant)元首相。
ハイチの治安は昨年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺事件と8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
首都ポルトープランスでは4カ月ほど前からG9&Familyなどの武装ギャングが地域の支配権をめぐって戦闘を繰り広げており、国連によると、7月中旬以降の死者と行方不明者は数百人に達し、10万人以上が避難民になった。
アンリ(Ariel Henry)首相は国際社会に軍事介入を求め、ギャングを掃討するよう訴えている。
米国とカナダはハイチ警察に装甲車と装備を提供しているが、要員は送っていない。トルドー氏は20日、「軍事介入には国連の承認が必要」と述べた。