◎労働組合と経営者は20日の業務停止をお互いに批判した。
カナダの主要な鉄道組合は20日、労使交渉で合意を得られなかったことを受け、ストライキを実施した。
カナダ第二の鉄道事業者であるCP鉄道の車掌とエンジニア3,000人以上が20日の業務を放棄したため、全土の運行に大きな影響が出た。
労働組合と経営者は20日の業務停止をお互いに批判した。
カナダ放送協会(CBC)によると、両者は連邦政府調停者の仲介のもと、協議を続けているという。
組合は19日遅くの声明で「会社は労働者を締め出した」と述べ、ストライキの開始を宣言した。
また組合は、「組合側は交渉の継続を望んだが会社は提案を却下し、その結果、カナダのサプライチェーンと何千もの雇用を危険にさらした」と経営陣を批判した。「カナダ人が終わりの見えないパンデミック、商品価格の高騰、ウクライナ問題に取り組む中、鉄道会社は鉄道網に依存する人々に新たな不安を提供しました...」
一方、CP鉄道のCEOは、「組合は真夜中の締め切り前に提示された新しいオファーに応答しなかった」と批判した。「組合の無謀な行動がカナダのサプライチェーンに損害を与えることを承知しています...」
オリーガン労働相はツイッターで双方に交渉を続けるよう促した。「交渉には常に困難が伴います。しかし、それを乗り越えて必要な合意を得るのです。カナダ人は迅速な解決に期待しています」
CP鉄道の紛争はコロナウイルスの感染拡大で打撃を受けているサプライチェーンにさらなる打撃を与えた。ロシア・ウクライナ戦争による燃料価格の高騰もCP鉄道を含む鉄道事業者の経営を圧迫している。
こうした混乱がインフレ率を過去30年で最悪の高水準に押し上げ、多くのカナダ人が食料品やガソリン価格の高騰に直面した。
労使は昨年9月から交渉を続けており、賃金と年金が争点になっている。
CP鉄道によると、労使交渉の行き詰まりによる業務停止は1993年以来5回目。交渉で連邦政府に調停を依頼したのは今回も含めて8回目。