▽トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニル・移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。
とトランプ大統領(ロイター通信).jpg)
ラトニック(Howard Lutnick)米商務長官は4日、メキシコとカナダに対する関税について、両国の当局者と協議を進めており、明日、何かしらの発表を行うことになると明らかにした。
トランプ政権はこの日、メキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。
この動きは貿易戦争の火種となり、経済成長に打撃を与え、インフレに悩まされている米国の中低所得者層に影響を与える可能性がある。
カナダのトルドー(Justin Trudeau)首相は4日、トランプ政権に対し、同盟国への関税は「非常に間抜けな行為」であり、近いうちに報復措置を発動すると批判した。
こうした中、ラトニック氏はフォックスニュースのインタビューで、「メキシコもカナダも今日一日中私と電話で話し、自分たちがもっとうまくやれることを示そうとした」と語った。
ラトニック氏は両国からフェンタニルと不法移民対策に関するさらなる「譲歩」を引き出せると示唆。「トランプ大統領は両国とともに何かを成し遂げようとしていると思う。(関税)一時停止というわけにはいかないだろうが。大統領はもっと頑張ってくれることを期待している」と述べた。
さらに、「明日にはその詳細を発表できると思う」とした。
ラトニック氏は2日に放送されたインタビューの中でも、「メキシコとカナダは米国との国境を守るためにそれなりの仕事をしている」と述べ、頑張り次第で関税を免除する可能性があると示唆していた。
トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニル・移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。
トランプ氏はフェンタニルと不法移民の流入を阻止するために国境警備を強化。中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定したり、不法移民を本国や第三国に送還している。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
メキシコ政府は米国境に1万人規模の軍隊を展開。カナダ政府もフェンタニル対策を強化した。
米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。