◎この男は2020年2月、24歳の女性従業員を殺害、もうひとりの従業員に重傷を負わせてとして逮捕、起訴された。
カナダ・トロントの地方裁判所は28日、マッサージ店で女性従業員を殺害した当時17歳の男に終身刑を言い渡した。
この男は2020年2月、24歳の女性従業員を殺害、もうひとりの従業員に重傷を負わせてとして逮捕、起訴された。
トロント地裁は殺人未遂で懲役3年、第一級殺人で終身刑を言い渡した。
公営カナダ放送協会(CBC)によると、被告の弁護士は判決を不服として控訴する意向を示している。
被告は昨年、女性2人を襲撃したことを認めた。判事は判決の中で、「10年は仮釈放なしで服役することになる」と述べた。
また判事は被告がソーシャルメディアで女性を軽視したり、女性差別を扇動・助長する投稿を繰り返していたことについて、「この殺人はテロ行為に相当する」と糾弾した。
「被告は自分の性生活が欠如していることに不満を抱き、その責任は女性にあると決めつけ、差別的なコメントをネット上に繰り返し投稿し、この事件を起こすに至った...」
カナダの裁判所がインセル(異性との交際が長期間なく、経済的理由などで結婚を諦めた独身男性の通称)を動機とする殺人をテロと認めたの初めて。
検察は公判の中で、「被告はネット上で女性差別を繰り返し、刃渡り17インチ(約43センチ)の剣で女性を殺害する計画を立てていた」と主張。被告はこれを否定し、「女性定員に嫌な顔をされたように感じたため、カっとなってやってしまった」と反論していた。
検察によると、男性はネット上で10人が殺害されたトラントの殺人事件や、米カリフォルニア州などの事件に関心を示し、それらを参考にして今回の事件を計画したという。
検察は「被告の思考と綿密な殺人計画は成人男性と何ら変わりない」として、成人として裁判にかけるよう裁判所に求めていた。
第一級殺人で有罪が確定した成人は自動的に終身刑となり、25年間仮釈放の可能性はない(成人の場合)。
弁護側は事件発生時の年齢を考慮し、仮釈放の可能性を10年に短縮するよう求めていた。