◎カナダと中国の関係は冷え切っており、2018年のファーウェイ幹部逮捕で対立は最高潮に達した。
中国通信機器大手ファーウェイの看板(Getty Images/AFP通信)

カナダ政府は19日、中国の通信機器大手2社を国内の5G通信網から排除すると発表した。

シャンパーニュ(Francois-Philippe Champagne)経済相は記者団に対し、「ファーウェイとZTE(中興通訊)を5G通信網から排除する」と述べた。

シャンパーニュ氏は決定について、「この措置はカナダのモバイルインターネットサービスを改善し、カナダ人の安全と安心を守ることになる」と強調した。

米国、英国、オーストラリア、ニュージーランドを含む数カ国も2社に制限を課している。

この4カ国とカナダは「ファイブ・アイズ(UKUSA協定)」と呼ばれる情報共有体制を構築している。これは冷戦時代、ソ連を監視し、機密情報を共有する仕組みとして発展し、今ではロシアだけでなく中国への監視も強化している。

カナダを除くファイブ・アイズ加盟国はファーウェイとZTEを国内の5G通信網からすでに締め出していたため、カナダもこれに続くと期待されていた。

シャンパーニュ氏は、「決定はインフラを保護するためのものである」と述べている。

カナダと中国の関係は冷え切っており、2018年のファーウェイ幹部逮捕で対立は最高潮に達した。

カナダは米国の要請に基づき、ファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)氏を逮捕し、中国はこの報復としてカナダ人起業家スペーバー(Michael Spavor)氏と元外交官のコブリグ(Michael Kovrig)氏を逮捕、起訴した。3人は昨年9月に解放され、自国に戻っている。

今回の決定は通信プロバイダーBCE社や大手通信会社TELUSなど、ファーウェイの機器を使用している企業には大きな影響を与えないとみられている。これらのカナダ企業はファーウェイが排除されることを想定し、5G構想から除外していた。

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