◎一連の抗議デモは、米国とカナダを行き来するトラック運転手にワクチン接種を義務付ける法律が施行されたことで本格化した。
2022年2月5日/カナダ、オンタリオ州トロントで開催された政府のコロナ対策に抗議するデモ(Adrian Wyld/The Canadian Press/AP通信)

2月5日、首都オタワで先週開催された政府のコロナ対策に反対する抗議デモは全国に拡大し、街頭に集まった数千人が声を上げた。

オタワと他の都市の警察当局は参加者に平和的に抗議するよう呼びかけている。

オタワの議会議事堂周辺に集まった一部の抗議者は芝生広場でバーベキューを行い、ホットドッグや肉の串焼きを配っていた。

ある団体は「ドナルド・トランプ前大統領を支持する」と書かれた看板を掲げ、「くたばれトルドー」と叫びながら行進した。

ワクチンの義務化に反対するGo Fund Meキャンペーンはトランプ前大統領、テスラのイーロン・マスクCEO、米フォックスニュースなどから支持を集めている。

一連の抗議デモは、米国とカナダを行き来するトラック運転手にワクチン接種を義務付ける法律が施行されたことで本格化した。

オンタリオ州トロントの通りに集まった数百人の抗議者は大音量でレゲエを流し、「自由」と書かれた旗を振り回しながら行進した。

一方、カナダ放送協会(CBC)によると、トロント大学の近くでは数百人の医療従事者と政府の支持者が「ワクチン接種」「N95マスク」と書かれた看板を掲げて行進したという。

トロント警察は市中心部の道路を封鎖し、5つの主要病院と州議会のあるエリアにトラックや自動車で近づくことを禁止した。

CBCによると、デモはケベック・シティー、バンクーバー、ビクトリアなどでも開催され、米国との国境付近では集会が予定されているという。

これらの都市の警察はオタワの混乱を参考に、主要通路や病院などのインフラを保護し、暴力を防ぐための戦略を策定したと伝えられている。

マニトバ州の警察当局は抗議者の集団に車で突っ込んだとされる42歳の容疑者を起訴した。事件は4日遅くに発生し、男性3人が軽傷、1人が病院に搬送された。

一方、首都オタワでは数千人の住民を代表する弁護団がトラック運転手のクラクションと抗議を速やかに停止するよう求める集団訴訟を起こした。

CBCによると、裁判所は訴訟のすべての当事者(デモの主催者や関係者)に必要書類を提出するよう求め、7日中にクラクションに関する決定を下す予定だという。

AP通信の取材に応じたオタワ在住の女性は、「クラクションと渋滞にウンザリしている」と語った。「抗議をやめろとは言いませんが、トラックのクラクションと違法駐車はやめてください...」

多くのカナダ人が一部の乱暴な抗議に憤慨している。あるデモ団体は4日深夜にオタワの国立戦争記念館の敷地内で花火を打ち上げた。記念館や無名戦士の墓でナチスの旗を掲げた団体は、ワクチン義務化をファシズムに例えている。

抗議者たちはすべてのコロナ制限が廃止されるまでデモを続けると主張し、トルドー政権の解任を要求している。

カナダのコロナ制限の大半は州政府が独自に発効したもので、連邦政府の制限は少ない。ケベック州は混乱が拡大しつつあることを受け、「ワクチン未接種者に対する課税計画」を破棄している。

2022年1月30日/カナダ、首都オタワの議会議事堂近く(Center for Israel and Jewish Affairs)
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