◎PSACは4.5%の賃上げを3年間継続するよう要求している。
カナダの連邦職員労組であるPSAC(The Public Service Alliance of Canada)は19日、税務機関の職員3万5000人を含む約15万人の連邦政府職員が参加するストを開始した。
カナダ放送協会(CBC)によると、連邦政府とPSAC執行部は18日午後の労使交渉で合意に至らなかったという。
税務署の職員がストに参加したことで、確定申告の処理に深刻な影響が出ると懸念されている。
連邦政府の代表は19日の記者会見で、「ストに関する最新情報をチェックしてほしい」と国民に呼びかけた。
また政府は「白紙委任状を書くことはできない」とし、PSACの要求をそのまま受け入れることは難しいと示唆した。
CBCによると、ストは19日の午前0時にスタートし、24時間続く予定。連邦政府の公務員約15万5000人が参加し、約5万人が必要不可欠な公共サービスを維持するために職場に残っている。
PSACの委員長は19日、このストを「カナダ史上最大」と評し、政府に要求に応じるよう求めた。
政府とPSACは税務署を含む確定申告を処理する機関が停止する恐れがあるとして、国民に申告を急ぐよう要請してきた。申告の締め切りは4月30日である。
雇用保険、移民受付、パスポート交付にも影響が出る可能性がある。
PSACの執行部を含む組合員は19日早朝に首都オタワの国会前に集結し、「公正な取引」「対価を払え」などと書かれた看板を掲げた。
PSACは4.5%の賃上げを3年間継続するよう要求している。一方、財務省は3年間で9%の賃上げを提示した。