◎トルドー首相はオンタリオ州の醸造所を訪問し、選挙バスに戻る途中砂利を投げつけられた。
9月7日、カナダのジャスティン・トルドー首相が今月20日に予定されている総選挙(連邦選挙)のキャンペーン活動中に反ワクチン抗議者の砂利攻撃に見舞われた。
トルドー首相はオンタリオ州の醸造所を訪問し、選挙バスに戻る途中砂利を投げつけられた。当局によると、首相にケガはなかったという。
トルドー首相は先月、コロナ禍にもかかわらず議会を解散し、国民に政府のコロナ対策の信を問うと発表した。
カナダのコロナワクチン展開は世界トップレベルの大成功を収めており、少なくとも1回接種した12歳以上の割合は83%以上、接種完了は76%を超えた。
<カナダのワクチン接種率:9月7日時点>
少なくとも1回接種:12歳以上の83.42%
少なくとも1回接種:総人口の73.14%
接種完了:12歳以上の76.35%
接種完了:総人口の66.81%
トルドー首相は砂利攻撃後の声明で、「反ワクチン暴徒は基本的な科学と品位を尊重していない」と語った。「政治集会で物を投げたり、人を傷つけるような行為は絶対に許されません...」
現地メディアによると、オンタリオ州の警察は砂利攻撃に関与した個人を追跡しているという。また、CTBニュースは、トルドー首相の選挙活動に同行していたメディア関係者2人も砂利を投げつけられたと報じた。
トルドー首相の与党カナダ自由党はコロナワクチン展開の成功を利用して過半数を獲得したいと目論んでいるが、選挙活動は反ワクチン抗議者や野党支持者の嫌がらせの影響で思うように進んでいない。
カナダ自由党は2019年の総選挙で過半数を失い、法案の可決には反対派の支持が必要不可欠になった。
<2019年のカナダ連邦選挙:定数338>
カナダ自由党 157議席(中道~中道左派)
カナダ保守党 121議席(保守)
ブロック・ケベコワ 32議席(中道左派)
新民主党 24議席(中道左派)
緑の党 3議席
ちょうど1週間前には野党支持者と思われる集団がトルドー首相の乗るバスを取り囲んだため、その日予定していた集会は中止された。
野党保守党のエリン・オウトゥール党首は7日のツイートで砂利攻撃を非難した。「暴力が正当化されることはありません。脅迫、嫌がらせ、暴力は決して許されません...」
抗議者の暴力に直面したのはトルドー首相だけではない。現地メディアによると、5日にアルバータ州カルガリーで戸別訪問を行っていたリベラル候補のボランティア2人が何者かに暴行を受けたという。容疑者は2人を殴り、顔に唾を吐きかけたと伝えられている。
トルドー首相は総選挙に先立ち、「10月末までに官僚、輸送業務に従事する労働者、カナダ全土の航空および鉄道旅行者にコロナワクチン接種を義務付ける」と発表したが、計画の詳細はまだ明らかにされていない。中道左派の新民主党はこの計画を支持したが、保守党は激しく反発している。
ただし、保守党もコロナワクチンの効果は認めており、接種は強制せず、ワクチン接種休暇の義務化や未接種のために検査体制を強化するよう求めている。
一方、カナダ放送協会(CBC)の最新の世論調査によると、トルドー首相の自由党は過半数獲得どころか保守党に政権を奪わる可能性すらあるという。
<CBCの世論調査:9月7日時点>
カナダ自由党 31.2%
カナダ保守党 33.5%
新民主党 20.3%
ブロック・ケベコワ 5.9%
国民党 4.8%
緑の党 3.4%