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カナダ政府、キューバへ食料援助を約束、燃料危機続く

キューバでは昨年から燃料供給の減少が続き、主要な燃料供給国であったベネズエラからの石油輸送が今年1月に停止されたことを契機に、燃料不足が一段と深刻化している。
2026年2月17日/キューバ、首都ハバナの通り(AP通信)

カナダ政府は25日、米国による海上封鎖が続くキューバへの人道支援として、約800万カナダドル(約9.1億円)の食料援助を実施すると発表した。支援金は同国民の食糧安全保障を支えるため、国連機関を通じて提供される方針であり、キューバ共産党を通じた直接支給は行わないとしている。今回の発表は、キューバを巡る燃料不足と経済危機が深刻化する中での人道的対応と位置付けられている。

アナンド(Anita Anand)外相は記者会見でこの支援について、 米政府と事前に協議していないことを明らかにし、「これはカナダの外交政策で、人道状況に重点を置いた取り組みだ」と述べた。支援の実施に当たっては、ユニセフなどの国連機関と連携し、現地で困窮する人々に迅速に届けられるよう調整していくという。

キューバでは昨年から燃料供給の減少が続き、主要な燃料供給国であったベネズエラからの石油輸送が今年1月に停止されたことを契機に、燃料不足が一段と深刻化している。米政府がベネズエラでの軍事行動や大統領の拘束に踏み切ったことに伴う圧力が背景にあり、その後メキシコも米国からの圧力を受けてキューバへの燃料供給を停止した。結果として、 航空燃料不足から国際便の運航が相次いで中止されるなど、生活・経済活動に広範な影響が出ている。

カナダ政府によると、 キューバ国内では食料や医薬品、燃料といった基本的な必需品の不足が1年以上にわたって続いているという。こうした状況を受け、カナダ政府はキューバへの旅行に対し注意を喚起してきた。特に燃料不足は都市部での電力供給や交通機関にも影響を及ぼし、生活インフラが大きく揺らいでいる。

今回の食料援助はカナダがキューバにとって重要な経済パートナーである点や人道危機への対応を強調したものと位置付けられている。カナダは長年にわたってキューバへの観光客受け入れや投資を通じて関係を構築し、特に観光と鉱業分野での経済的結び付きが強い。援助はこれら関係の文脈の中で評価されている。

また、メキシコも人道支援を強化し、 1000トンを超える食料や粉ミルクなどの援助物資を輸送するため、海軍の艦隊を派遣した。これら複数国からの支援は米国の圧力に対して国際社会がキューバの人道状況に懸念を示していることの表れとして捉えられている。

一方、トランプ政権はキューバへの経済的圧力を維持し、経済制裁の強化や燃料供給への締め付けを通じて、政治体制の変革を促す姿勢を見せている。これに対しては、国際的な批判や懸念も一部から出ており、人道的視点からの対応を訴える声が強まっている。カナダの食料援助はこうした国際的な議論の中でキューバ支援の一環として位置付けられる。

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