◎トルドー首相の批評家は選挙を「時間の無駄」と批判した。
9月21日、カナダのジャスティン・トルドーは20日に行われた総選挙で勝利を収めることが確定したが、議席の過半数を確保することはできなかった。
<2021年のカナダ連邦選挙:定数338 開票率99%>
カナダ自由党 158議席(選挙前157)
カナダ保守党 119議席(選挙前121)
ブロック・ケベコワ 34議席(選挙前32)
新民主党 25議席(選挙前24)
緑の党 2議席(選挙前3)
トルドー首相の自由党はコロナワクチンの展開成功の勢いで過半数を獲得できると目論み早期解散に踏み切ったが、目標の170議席には届かなかった。
トルドー首相の批評家は今回の総選挙を「時間の無駄」と批判した。
保守党は議席を2つ落とすと見込まれているが、主要野党の地位は維持した。
トルドー首相は21日午前の記者会見で、「まだ集計は終わっていないが、数百万のカナダ人が進歩的な計画を選択したことが明らになった」と語った。「皆さんは国民に奉仕する政府を選択しました...」
現地メディアによると、コロナ禍の総選挙には約6億カナダドル(510億円)の費用がかかったという。
トルドー首相の早期解散(任期2023年10月)は議席の過半数獲得を目指す利己的な入札と批判され、自由党議員たちは選挙の必要性を説明することに苦労した。保守党のエリン・オウトゥール党首は選挙を時間とお金の無駄と非難した。
オウトゥール党首は21日の記者会見の中で、「カナダ人は必要のない6億カナダドルを支払わされた」と皮肉った。「カナダの偉大な国民は一部の少数派のせいで6億カナダドルを支払わされ、コロナ禍の無駄な選挙を決断したトルドーはカナダに深手を負わせました...」
一方、トルドー首相は、選挙の結果は新政権に前進する明確な権限を与えたと述べ、選挙前に発表したコロナワクチン義務化に向けた取り組みを加速させると誓った。
トルドー首相は総選挙に先立ち、「10月末までに官僚、輸送業務に従事する労働者、およびカナダ全土の航空および鉄道旅行者にコロナワクチン接種を義務付ける」と発表していた。
他の少数政党はわずかに議席を伸ばすと予想されている。
「超富裕層に課税する」という政権公約を前面に押し出したリベラル派の新民主党は25議席獲得する見込み。
ブロック・ケベコワは選挙前から2プラス、緑の党は1マイナスと予想されている。
カナダの議会で連立が成立することは非常に稀であり、トルドー首相は法案を可決させるためには野党の支持を得なければならない。
ただし、左翼の新民主党はトルドー首相に歩み寄る姿勢を見せており、リベラルな法案の成立に大きな影響を与える可能性がある。
新民主党のジャグメート・シン党首は選挙活動の中で気候変動、手頃な価格の住宅の供給、医療保険制度の改革などに向けて行動すると有権者に訴えていた。「私たち(自由党と新民主党)が協力すれば、より良い社会を構築することができます」