◎M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
米疾病対策センター(CDC)は17日、カリフォルニア州でM痘(エムポックス)の変異株に感染した患者を確認したと明らかにした。
米国内で変異株が確認されたのは初めて。この個人は最近、アフリカ東部に旅行し、帰国後、症状が出たという。
M痘は中央・西アフリカでよくみられる感染症のひとつ。1970年にコンゴで初めて検出された。
重症化リスクは低く、感染者の大半は数週間で回復する。
死亡率は地域の医療体制によって異なるが、概ね1~3%ほど。潜伏期間は7~21日で、ほとんどの患者が10~14日で発症する。空気感染を起こした事例は確認されていない。
CDCは一般市民へのリスクを「低」としている。変異株は従来の株に比べると感染力が強いとみられる。CDCによると、症状に大きな違いはない。
CDCは声明で、この個人と接触したと人を追跡していると明らかにした。
M痘は感染者の傷口に触れたり、性行為で感染する可能性がある。飛沫で感染した事例は確認されていない。
2022年の世界的大流行は別の株が原因であった。
この大流行中、M痘は主に性行為で広がったが、ワクチン接種が進み、抑え込むことに成功した。
米国内では現在もこの株が低レベルで流行している。CDCは現在、ワクチン接種を終えている人々への追加接種を推奨していない。
アフリカで今年M痘が確認された国は19か国。累計感染者は約5万人、死者数は1100人を超えている。
アフリカ大陸における感染者の85%、死者の99%がアフリカ中央部で報告され、そのうち、コンゴの死者が全体の99%を占めている。
世界保健機関(WHO)は8月、コンゴを含むアフリカ中央部と西部でM痘感染者が急増していることを受け、公衆衛生上の緊急事態を宣言した。