平和を願って歩く仏教僧と飼い犬がアメリカ人を魅了する
19人のテーラワーダ仏教の僧侶は、救助犬アルカ(Aloka)とともにテキサス州フォートワースのベトナム仏教寺院を出発し、ワシントンDCを目指して延べ約3700キロの行程を歩いている。
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米国南部を縦断しながら「平和の歩み」を続ける仏教僧侶たちとその犬が、多くの人々の関心を集めている。19人のテーラワーダ仏教の僧侶は、救助犬アルカ(Aloka)とともにテキサス州フォートワースのベトナム仏教寺院を出発し、ワシントンDCを目指して延べ約3700キロの行程を歩いている。彼らの目的は、米国の分断が進む中で「気づき」「癒し」「内面の平和」を広めることであり、途中で出会う人々と交流することを最優先としている。
僧侶たちは足にバンテージを巻いて裸足で歩く者も多く、毎晩テントで寝泊まりしながら一歩ずつ南部の田舎道や舗装路を進んでいる。その姿は米国各地で話題を呼び、教会の庭や市役所前、街の広場などで大勢の市民が彼らを迎え、数千人規模の群衆が集まることもある。サウスカロライナ州コロンビアでは州議事堂前で僧侶たちが唱名を行い、市長から表彰状が手渡された。ソーシャルメディアでも動画や写真が拡散され、彼らと犬のアルカは数百万人のフォロワーを獲得している。
行程は2025年10月26日に始まり、2026年2月中旬のワシントン到着を予定している。到着後には連邦議会に対し、ブッダの誕生と悟りを記念する「ヴェーサク(Vesak)」を連邦祝日として認定するよう求める計画だという。一方で僧侶たちは、布教や宗教の勧誘が目的ではなく、「平和と気づきのメッセージ」を広く人々に伝えることを主眼としていると強調している。
リーダーの男性は柔らかい物腰で、各地で「気づき」「許し」「癒し」について説いて回っている。男性は今回。裸足での行程を選び、参加者に「歩むことそのものが瞑想であり、平和への道である」と語っている。彼は以前南アジアでも同様の巡礼を行い、その際にアルカと出会ったという。アルカはサンスクリット語で「神聖な光」を意味し、元は野良犬だったが、僧侶に伴ってインドからネパール国境まで歩いた経歴を持つ。今回の旅でも僧侶たちの精神的支えとなっている。
この「平和の歩み」はイデオロギーや宗教を越えて多様な人々の共感を呼んでいる。サウスカロライナ州サルーダで僧侶たちに出会った女性は約4時間車を走らせて僧侶たちに追いつき、涙を浮かべながら「彼らの眼差しに平和を見た」と語った。また、教会関係者や地域住民が夕食や宿泊を提供するなど、地域ぐるみで歓迎する風景も見られる。こうした交流は分断が深まる米国社会において、共通の価値としての「平和」「共感」「思いやり」の重要性を再確認する機会となっている。
