◎2020年3月13日、ルイビル警察の私服警察官3人は麻薬事件に関連する捜査でブレオナ・テイラー氏のボーイフレンドだったケネス・ウォーカー氏の自宅を襲撃し、テイラー氏をその場で射殺した。
故ブレオナ・テイラー氏のボーイフレンド、ケネス・ウォーカー氏は、自宅で警察官に発砲したとして殺人未遂容疑で告発されたが、裁判所は訴えを退けた。
2020年3月13日、ルイビル警察の私服警察官3人(ブレット・ハンキソン氏、ジョナサン・マッティグリー氏、マイルズ・コスグローブ氏)は麻薬事件に関連する捜査でウォーカー氏の自宅を襲撃し、テイラー氏をその場で射殺した。
ウォーカー氏は当時の様子について、「自宅に銃を持った不審者が乗り込んできたと思い、反撃した」と主張していた。
ブレオナ・テイラー射殺事件は2020年の米警察の残虐行為と人種差別を象徴する事件のひとつであり、ブラック・ライヴズ・マター抗議運動を引き起こすきっかけになった。
マイルズ・コスグローブ氏と捜査令状をとったジョシュア・ジェインズ氏は今年1月にルイビル警察を解雇された。しかし、テイラー氏を射殺したブレット・ハンキソン氏に対する殺人容疑は昨年9月末に取り下げられている。
ルイビル警察はウォーカー氏の自宅に踏み込む前にドアをノックし、身分を明らかにしたと主張していた。
ウォーカー氏の反撃を受けた私服警察官たちは、銃弾を計32発発射し、そのうち6発がテイラー氏に命中した。
病院に勤めていたテイラー氏は、元ボーイフレンドの麻薬取引に関わっていると疑われていたが、証拠はひとつも見つからなかった。
今年1月に解雇されたコスブローブ氏は武力行使の際に必要な手順を実行せず、捜査時に着用を義務付けられているボディカメラも使用していなかった。
ウォーカー氏の反撃で足を負傷したマッティグリー氏はケガから復帰し、現在もルイビル警察で元気に働いている。
ウォーカー氏の弁護士を務めるスティーブ・ロミネス氏はCBSニュースのインタビューの中で、「ウォーカーは人生最悪の1年を過ごしましたが、裁判所はようやく彼が自衛のために反撃せざるを得なかったと認めました」と述べた。
「ウォーカーは警察に責任を負わせる戦いを続けると誓約しています。彼とブラックコミュニティは、事件に関与した者に責任を負わせるまで癒しを求めず戦い続けます」
テイラー氏の死に抗議する親族、そして数万人の抗議者たちは、3人の白人警察官に殺人罪もしくは過失致死罪が適用されることを望んでいた。しかし、ケンタッキー州検事総長のダニエル・キャメロン氏は殺人罪による起訴を断念している。
昨年9月、ルイビル市はテイラー家に和解金1,200万ドル(約13億円)を支払い、事件が誤りだったことを認めている。