ブラジル、WTOにトランプ関税の協議要請、対立激化
とトランプ米大統領(Getty-Images).jpg)
ブラジル政府は6日、トランプ米政権による50%の相互関税について、世界貿易機関(WTO)に協議を仲介するよう要請したと明らかにした。
ブラジル外務省は声明で、「米国は最恵国待遇の原則やWTOで交渉された関税上限など、同国がWTOで合意した約束に著しく違反している」と批判した。
最恵国待遇原則はWTOの基本原則のひとつ。ある国に対して与える最も有利な待遇を、他のすべての加盟国にも無条件に適用しなければならないというルールである。
この原則は加盟国が相互に平等に貿易を行うよう定めている。
加盟国間の紛争で合意が成立しない場合、WTOの専門家パネルが設置される。
ブラジル外務省は声明の中で「政府は交渉への用意を再確認し、WTO協議が問題の解決に貢献することを希望する」と述べた。
トランプ氏は先月初め、盟友のボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、この裁判を打ち切るよう要求。ブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと警告した。ただし、多くの例外が適用される。
ブラジルのルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領はこれに猛反発。司法への介入は受け入れられないと応戦し、自国の法律に基づいて「相応の措置を取る」としている。
専門家はこの関税がブラジル経済に影響を与える可能性は低いとみている。ブラジルはBRICS(新興5カ国)の同盟国である中国と強固な貿易関係を確立している。
ブラジルの輸出に占める米国の割合は12%。中国は過去10年間で倍増し、28%に達した。