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ブラジル政府、トランプ関税の影響受ける国内産品買取へ

ブラジル政府は米市場に出荷される商品の35.9%が関税の影響を受けていると推定している。これは同国の総輸出の4%に相当する。
トランプ米大統領(左)とブラジルのルラ大統領(Getty Images/AFP通信)

ブラジル政府は25日、トランプ米政権による50%関税の影響を受ける国内産品の一部を「適正な価格」で買い取ると発表した。

ブラジルの主要生産物であるコーヒー豆と牛肉は対象外である。

トランプ(Donald Trump)米大統領はブラジルの盟友ボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、この裁判を打ち切るよう要求。ブラジルの関税率を50%に引き上げ、最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事に制裁を科した。

ブラジル検察庁は2月、2022大統領選の結果を覆すためにクーデターを企てたとしてボルソナロ氏や元海軍司令官など、計34人を起訴。最高裁は3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。

テイシェイラ(Paulo Teixeira)農業開発相は25日の記者会見で、「政府が購入を予定している国内産品の大半は蜂蜜や魚なども含め、全国の公立学校や備蓄用に使用される予定である」と語った。

またテイシェイラ氏は「政府の購入リストに採用されなかったコーヒーや牛肉などは需要があり、おそらく他の買い手が見つかるだろう」と述べた。

そして、「輸出業者が米ドルで設定した価格を支払うことはできない」と述べつつも、「これらのすべての品目の適正価格を確認する」とした。

専門家はブラジル産コーヒーや牛肉などの主要生産物について、中国が主要な買い手であることを考えると、米国への輸出が減少しても業者が被る損害は限定的であると指摘している。

ブラジル政府は米市場に出荷される商品の35.9%が関税の影響を受けていると推定している。これは同国の総輸出の4%に相当する。

一方、米国の業者は関税の影響でブラジル産品を輸入しづらくなり、特にコーヒーの価格高騰が懸念されている。

世界で最も多くコーヒーを消費している米国の消費量の約3分の1はブラジル産である。

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