◎ボルソナロ氏は昨年12月30日から米フロリダ州に滞在している。
ブラジルのボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が米国の観光ビザを申請したことが明らかになった。AP通信などの現地メディアが報じた。
ボルソナロ氏は昨年12月30日から米フロリダ州に滞在している。
報道によると、ボルソナロ氏は入国管理局の手続きを待つ間もフロリダ州にとどまる予定。
ブラジル検察庁は先月発生した連邦議会襲撃事件の捜査を進めており、ボルソナロ氏も捜査の対象になっている。
ボルソナロ氏は支持者が起こした暴動に遺憾の意を表明したが、検察は同氏が暴動を扇動したと疑っている。
AP通信はボルソナロ氏の弁護士の声明を引用し、「34年間国に奉仕したので、しばらく休みたい」と報じた。
ボルソナロ氏は外交官向けのビザで渡米したが、このビザはまもなく失効する。ボルソナロ氏はダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領の就任式に出席しなかった。
弁護士は声明の中で、「ボルソナロ氏は頭をリフレッシュさせ、次のステップを決める前に米国で観光を楽しむ」と述べている。
報道によると、入管は先週、ボルソナロ氏の観光ビザ申請を受理したという。
ボルソナロ氏の支持者たちは今月8日、昨年の大統領選に異議を唱え、首都ブラジリアの連邦議会、大統領府、最高裁に突撃した。
検察はボルソナロ氏が証拠を示すことなく選挙結果を否定し、その結果、支持者が暴動を起こしたと指摘している。
米フロリダ州にはトランプ(Donald Trump)前大統領の住まいがあり、「南米のトランプ」と呼ばれているボルソナロ氏を積極的に受け入れたとみられる。ボルソナロ氏は現在、元総合格闘技選手のジョゼ・アルド(José Aldo)氏の家に滞在している。
フロリダ州のデサンティス(Ron DeSantis)知事は2024年大統領選の共和党有力候補だ。この州には米国在住のブラジル人の5分の1が住んでいる。
一方、連邦議会の民主党員はボルソナロ氏の滞在を問題視し、バイデン(Joe Biden)大統領に書簡でビザを取り消すよう要請している。フロリダ州は共和党が多数派を占める州だ。
ボルソナロ氏の弁護士は30日、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、「ボルソナロ氏は暴動に関与しておらず、何の責任も負わない」と述べた。
ブラジル当局はボルソナロ政権で法務・公安相を務めたトレス(Anderson Torres)氏を逮捕している。