◎機械工ら約3万3000人によるストは3週目に突入。主要ジェット機の生産に打撃を与え、交渉も行き詰まっているようにみえる。
ボーイング労組による賃上げデモ(AP通信)

航空大手ボーイングの労使交渉が決裂した。現地メディアが28日に報じた。

国際機械工労働組合(IAM)は27日遅く、SNSに声明を投稿。「会社は組合員にとって重要な問題(賃上げなど)で歩み寄る姿勢を示していない」と書き込んだ。

労組は10年前に打ち切られた確定給付年金の復活要求についても譲らなかったようだ。

報道によると、この労使交渉は連邦政府の調停委員が仲介し、これ以上の交渉は予定されていないという。

労組は「直接でも仲介ありでも、さらなる協議に応じる用意がある」と表明した。

AP通信はボーイング関係者の話しとして、「会社はいつでも、誠実に交渉に応じる用意があり、できる限り早く合意に達したい」と伝えている。

同社は今週初め、「最善かつ最終的」と称する提案を公表。4年間で30%の賃上げを約束した。

労組は今月12日の組合員投票で会社が示した25%の賃上げを拒否。3年間で40%の賃上げを求めている。

会社はメディアを通じて提案を公表。回答期限を設定し、労組を怒らせた。その後、会社は期限を撤回、労組に回答を促した。

ストに参加する組合員の多くがこれに納得せず、執行部に拒否するよう求めていた。

機械工ら約3万3000人によるストは3週目に突入。主要ジェット機の生産に打撃を与え、交渉も行き詰まっているようにみえる。

このストが世界の航空各社のフライトにすぐに影響を与えることはないが、同社は財務的、法的、機械的な問題に直面している。

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