◎この命令はプラット・アンド・ホイットニーPW4000(高バイパスターボファンエンジン)を搭載する全てのボーイング777-200に適用される。
2月23日、米連邦航空局(FAA)は、先週末にコロラド州デンバーで落下物事故を起こした328便と同じタイプのエンジンを搭載するボーイング777-200の運航を停止するよう命じた。
この命令はプラット・アンド・ホイットニーPW4000(高バイパスターボファンエンジン)を搭載する全てのボーイング777-200に適用される。声明によると、航空各社は対象の機体のPW4000のチタンファンブレード(中空)を「熱音響画像検査」で点検する必要があるという。
熱音響画像検査は肉眼では見えないチタンファンブレードの内部の様子を確認できる。
ユナイテッド航空はボーイング777-200を24機運航(保有数は52機)しており、FAAの指示通りに検査を行い承認を得るまで777-200は飛行できなくなった。また、ボーイング社は世界中の航空会社に、「FAAが検査を終え、事故原因を特定するまで」プラット・アンド・ホイットニーPW4000を搭載した128機すべての運航を停止するよう求めている。
ユナイテッド航空のスポークスマン、デビッド・ゴンザレス氏は事故発生後の声明で、「プラット・アンド・ホイットニーPW4000を搭載したボーイング777-200の運航を自主的に停止しました」と述べていた。
デビッド・ゴンザレス氏(声明):
「私たちは国家運輸安全委員会(NTSB)と協力して調査を行っており、FAAの命令に従い、対象の機体の詳細点検を開始します」
デンバー発ホノルル行き328便は離陸直後に右エンジンでトラブルが発生し、エンジンの破片をコロラド州ブルームフィールドの住宅街にばらまきながら緊急着陸した。乗客乗員241人にケガはなく、328便の落下物で負傷した市民も報告されていない。
NTSBのロバート・サムウォルト委員長は22日夜のオンライン記者会見で、右エンジンのファンブレードの破損は「金属疲労による損傷」の兆候と一致すると述べた。事故後に行われた一連の予備調査によると、金属疲労の影響で破損したファンブレードが他の健全なファンブレードに接触し、エンジン全体が大きく破損したという。
サムウォルト委員長によると、「最初に破損したブレード」はプラット・アンド・ホイットニーの本社に送られ、NTSBの監視下で検査されたという。
ロバート・サムウォルト委員長:
「私たちの使命は事故原因を解明および理解し、同じ事故を発生させないための対策を考えることです」
FAAは声明で、「熱音響画像検査の結果に基づき、プラット・アンド・ホイットニーPW4000の検査方法や新たな検査間隔などを設定することになる」と述べた。