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米ルイジアナ州のカーニバルで「生分解性ビーズ」環境負荷を軽減

今年のマルディグラでは、同団体を含む3つのクルーが従来のプラスチック製ではなく、環境にやさしい「プラント・ミー・ビーズ(PlantMe Beads)」と呼ばれる生分解性ビーズを採用している。
2026年1月27日/米ルイジアナ州、プラント・ミー・ビーズ(AP通信)

ルイジアナ州ニューオーリンズで開催中のカーニバル「マルディグラ(Mardi Gras)」の季節に合わせ、毎年大量に使われるプラスチック製ビーズを環境負荷の少ない素材に置き換える取り組みが進んでいる。かつてはガラス製で祝祭の記念品として大切にされたビーズが、現在では安価なプラスチック製ビーズが大量に使用され、パレードの見物客が首に何十本も巻く一方で、多くが地面に投げ捨てられたり、後片付けの際にごみとして残ったりしている。数年前の大雨の後には、約46トンものプラスチックビーズが排水溝を塞いでいるのが見つかるなど、都市のインフラと環境に深刻な影響を及ぼしてきた。

こうした背景を受け、パレード運営団体や研究者らが、従来のプラスチックビーズの使用を見直す動きを強めている。主催団体は昨年、プラスチック製ビーズの使用を禁止するという大胆な決断を下し、従来の「投げるためだけの装飾品」としてのビーズ文化を変える試みを始めた。関係者によると、安価なビーズは観客から価値を見いだされなくなっているという。

今年のマルディグラでは、同団体を含む3つのクルーが従来のプラスチック製ではなく、環境にやさしい「プラント・ミー・ビーズ(PlantMe Beads)」と呼ばれる生分解性ビーズを採用している。このビーズはルイジアナ州立大学の研究者らが開発したもので、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)という素材を3Dプリントして作られている。ビーズの内部にはオクラの種が封入され、使い終わった後に地面に埋めるとオクラが発芽し、土中の微生物活動を促して分解が進む仕組みだとしている。

プラスチック製ビーズが河川や湖沼、湖への流出を通じて水生生物に悪影響を与えているという指摘もあり、地元の環境保全団体はプラスチックごみの削減が急務だと強調する。従来型のビーズだけでなく、帽子、石けん、サングラスなど、より実用的で再利用可能なものに切り替える動きも出ているが、これまでに大規模な統計データはなく、効果の評価は今後の課題となっている。

ルイジアナ州立大学の研究チームは、2026年シーズン向けに約3000本のプラント・ミー・ビーズを製造し、各クルーに配布してデザインや観客の反応を探る取り組みを行っている。プラント・ミー・ビーズについては「ユニークで気に入った」という声もあり、観光客や住民の評価は概ね好意的だという。ただし、従来の石油由来のプラスチックビーズのように長期保存が期待できないため、「持ち帰って飾りたい」という人にとっては別の価値観があるとの指摘もある。

持続可能なマルディグラを目指す取り組みは、ビーズの素材変更だけにとどまらず、廃棄物全体の削減へと広がっている。研究者らは単にプラスチック製品を別の素材に置き換えるだけでなく、品物そのものが長く使われ、多くの人にとって価値あるものであることが重要だとしている。この潮流はニューオーリンズの伝統的な祭り文化の中に新たな環境意識を根付かせる試金石となる可能性がある。

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