◎ナワリヌイ氏は懲役19年を言い渡され服役していた北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で死亡したとみられる。
バイデン(Joe Biden)米大統領は16日、獄中で死亡したとされるロシアの反体制派指導者ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏に哀悼の意を表し、「その責任はプーチン(Vladimir Putin)大統領にある」と断じた。
ナワリヌイ氏は懲役19年を言い渡され服役していた北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で死亡したとみられる。死因は明らかになっていない。
刑務当局はナワリヌイ氏が散歩後に体調不良を訴え、意識を失ったと主張している。
バイデン氏はナワリヌイ氏が亡くなったという情報が入ったことに憤慨していると述べた。
またバイデン氏はロシア当局がその死に関する詳細な情報を公開していないことについて、「彼らは自分たちの都合のよい話ばかりして、真実を語ろうとしない」と非難。「プーチンに責任があるのは明らかだ」と断じた。
さらに、「ナワリヌイ氏の身に起きたことはプーチンの残忍さを証明するものであり、騙されてはならない」と強調。「プーチンはウクライナだけでなく、自国民も標的にしている」と非難した。
バイデン氏はナワリヌイ氏が当局の「でっち上げ」で投獄され、3年前には毒殺されかけたと言及。「彼は率直にプーチンを批判する政治家であり、称賛に値する」と述べた。
「ロシア全土、そして世界中の人々が今日、ナワリヌイ氏を追悼しています。彼は勇敢でした。彼は法の支配に基づく、民主的なロシアの建設を追求していました...」
フランス・パリと独ベルリンで安全保障協定に調印したウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領も16日、ミュンヘンの記者会見でナワリヌイ氏に弔意を表明し、「プーチンは自分の地位さえ守れれば、誰が死のうと構わない」と怒りをあらわにした。
ナワリヌイ氏の妻であるユリヤ(Yulia Navalnaya)氏もミュンヘンで急遽記者会見を開き、「それが事実であれば、プーチン氏とその側近は罰を免れるわけにはいかない」と非難した。
AP通信によると、ホワイトハウスはナワリヌイ氏が亡くなったという情報を受け、新たな対ロシア制裁の検討に入ったという。
ナワリヌイ氏はプーチン氏を最も声高に批判する指導者であり、ロシア諜報部の神経毒攻撃で生死の境をさまようも生還。ドイツから帰国した直後に逮捕された。
ロシア地裁は詐欺と法廷侮辱罪でナワリヌイ氏に実刑を言い渡している。同氏は複数の罪で起訴されており、終身刑に処される可能性があった。