◎ジョー・バイデン大統領は7月4日の独立記念日までに、国内の成人の70%に少なくとも1回コロナワクチンを接種するという新しい目標を発表した。現在の接種率は約56%。
5月4日、ジョー・バイデン大統領は7月4日の独立記念日までに、国内の成人の70%に少なくとも1回コロナワクチンを接種するという新しい目標を発表した。現在の接種率は約56%。
アメリカのワクチン需要は全国的に低下しており、一部の州では利用可能な容量の半分以上が未注文のままになっている。バイデン大統領は州当局に、薬局などで簡単にワクチンを入手できるような供給体制を整えるよう求めた。
バイデン大統領は声明の中で、「独立記念日までに国内の成人約1億6,000万人にワクチンを提供し、接種率70%を達成する」と述べた。5月4日時点でワクチン接種を終えた成人(J&J:1回、ファイザーとモデルナ:2回)は1億500万人を超えており、1日100万人を維持できれば目標は十分達成できる。しかし、5月の1日あたりの予防接種数は3週間前の約50%まで落ち込んでおり、専門家は「この勢いで接種者が減少すれば達成は難しい」と指摘した。
<ワクチン接種数/少なくとも1回接種した人の割合(全人口)/5月5日時点>
アメリカ:2億4,700万回/44%
中国:2億8,000万回/12%
インド:1億5,600万回/9%
イギリス:5,000万回/51%
ブラジル:4,400万回/14%
ドイツ:3,000万回/28%
トルコ:2,300万回/17%
ロシア:2,000万回/9%
イスラエル:1,000万回/62%
日本:350万回/2%
世界:10億1,800万回/8%
アジア:5億5,800万回/4%
北米:2億8,500万回/30%
ヨーロッパ:2億3,300万回/22%
EU:1億5,200万回/25%
南米:7,800万回/12%
アフリカ1,800万回/1%
ワクチン接種で世界をリードしているイスラエルの感染者数はピーク時の100分の1以下に減少し、5月3日の死亡者数は1人だった。同国で少なくとも1回ワクチンを接種した市民は人口の62%を超えている。
バイデン大統領は、コロナワクチンの効果に疑問を持っている市民への接種が最大の課題と強調した。「アメリカは今年の独立記念日でコロナウイルスから独立します。集団免疫を確立するためには、より多くの人にワクチンを提供しなければなりません。私たちは3つのカテゴリに当てはまる人に焦点を当てています...」
<政権が注目しているカテゴリ>
・コロナワクチンを信用していない人。
・接種を急いでいない人およびワクチンの取得に苦労している人。
・12歳~15歳の米市民。
ホワイトハウスによると、政権はコロナワクチン専用のウェブサイト「vaccines.gov」を開設し、国内のワクチン接種可能施設をより簡単に検索および予約できるようにしたという。サイト運営者は保健社会福祉省、疾病予防管理センター(CDC)、およびボストン小児病院。
一方、食品医薬品局(FDA)は現在、ファイザー社の新たな臨床試験結果を審査しており、ワクチンの接種可能年齢はまもなく12歳以上に拡大されると噂されている。
アメリカ国内におけるファイザーワクチンの現在の接種可能な年齢は16歳以上。モデルナとJ&Jワクチンは18歳以上。
バイデン大統領はFDAの審査プロセスには干渉しないが、「12歳~15歳への接種が許可されれば、速やかに行動する」と述べた。「政府はFDAの許可が下り次第、ファイザーワクチンを全国の小児科医に速やかに出荷します。保護者と子供はかかりつけの医師に相談し、信頼できる医療従事者からワクチン接種を受けてください」
バイデン大統領によると、全国の約15,000の薬局でもティーンエイジャー向けのワクチン接種を行う予定だという。国内の12歳~15歳の人口は約1,700万人。
国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ博士は声明で、「日常を取り戻すためには、高齢者や成人よりはるかに健康な子供たちもワクチンを接種しなければならないだろう」と述べた。
ABCニュースによると、国内の高齢者の約75%が完全にワクチンの接種を終えたという。専門家は、「ワクチンをまだ接種していない16歳以下の感染者数の割合が増加している」と指摘した。
米国小児科学会が5月3日に公表した報告書によると、調査を行ったいくつかの州の1日あたりの新規陽性者における16歳以下の割合は、昨年同時期の3%から22%に増加したという。
バイデン大統領は、「国内の企業とワクチン接種を含む様々な取り組みについて話し合っている」と述べた。「私たちは国内の主要なスポーツリーグと協力して、ファンのための特別イベントを開催する予定です。チケットのプレゼント、スタジアム内でのワクチン接種、商品の販売など、誰でも気軽に参加できるものを開催したいと考えています...」
ABCニュースによると、一部の企業はワクチン接種者に報奨を提供しているという。
ファウチ博士は昨年、「集団免疫を達成するためには、少なくとも人口の70%にワクチンを提供しなければならないだろう」と述べたが、先月のインタビューで「はっきりとした答えを出すことは難しい」と以前の発言を訂正した。なお、イスラエルの接種率は70%に達していないが、感染者数と死亡者数は劇的に減少している。
世界保健機関(WHO)の主任科学者、スーミャ・スワミナサン博士はコロナの集団免疫を確立できる接種者の割合について次のように述べている。「集団のかなりの割合にワクチンを接種する必要があることは確かですが、具体的な値は不明です...」
スワミナサン博士によると、麻疹(はしか)の集団免疫を確立するしきい値は約95%、ポリオは約80%だという。