◎チャイナ・テレコム(中国電信)は60日以内に米国内でのサービスを停止する必要がある。
2021年10月25日/ニュージャージー州カーニー、ジョー・バイデン大統領(Evan Vucci/AP通信)

10月26日、米バイデン政権は国家安全保障の懸念を理由に、中国の通信大手に与えていた国内ライセンスを取り消すと発表した。

当局者によると、チャイナ・テレコム(中国電信)は60日以内に米国内でのサービスを停止する必要があるという。

チャイナ・テレコムは中国の通信網を支配するメガ通信グループのひとつで、2002年にNY証券取引所に上場した。しかし昨年11月、当時のドナルド・トランプ大統領は複数の中国企業に制裁を科す大統領令に署名し、同社は上場廃止に追い込まれた。

連邦通信委員会(FCC)は26日の声明で、「中国政府はチャイナ・テレコムを通じて米国の通信にアクセスし、影響を与えることができる」と述べた。

一方、米国で20年近くサービスを提供してきたチャイナ・テレコムはこの決定を「失望」と呼び、利用可能なサービスの提供を維持すると述べた。

この決定は、ジャネット・イエレン財務長官と中国の劉鶴(りゅう かく)副首相の電話会談から数時間後に発表された。声明によると、両氏は世界経済の状況などについて協議し、米中両国の意思疎通と協調を強化することが重要だという認識で一致したという。

両氏の会談は進行中の貿易戦争と台湾をめぐる緊張を改善する兆候と見なされていた。

FCCは声明の中で、「チャイナ・テレコムは米国内における中国政府の搾取、影響、管理をサポートしている」と述べ、「同社は独立した司法の監督下に置かれたとしても、中国政府の要求に応じることを余儀なくされる可能性が高い」と指摘した。

ファーウェイを含む中国の通信大手は世界中で警戒の対象になっている。

FCCは昨年、ファーウェイとZTE(中興通訊)を脅威の対象に指定し、米国内の企業は2社の通信機器を原則購入できなくなった。

チャイナ・テレコムは110ヵ国でサービスを展開しており、顧客は数億人にのぼる。

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