◎外交ボイコットは大会に政府高官を派遣しないことを意味する。
11月18日、米国のジョー・バイデン大統領は3か月後に開幕する北京2022冬季五輪の外交ボイコットを検討していると明らかにした。
バイデン大統領は18日に行われたカナダのジャスティン・トルドー首相との首脳会談に先立ち、記者団に、「私たちは外交ボイコットを検討している」と述べた。
外交ボイコットは大会に政府高官を派遣しないことを意味する。
バイデン大統領は15日に中国の習近平 国家主席とオンラインで会談し、両国の関係改善に向けた取り組みを進めていくと述べたばかりだった。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は18日の定例会見で、「バイデン大統領と中国の指導者は五輪に関する協議を行っていない」と述べ、政府高官を派遣するか否かは検討中と強調した。
民主党と共和党の一部議員も中国の人権侵害に抗議する手段として外交ボイコットを求めている。
ウイグル族、チベット族、その他の少数民族、そして香港の国民を支援する主要な人権団体は国際オリンピック委員会(IOC)、スポンサー、各国のスポーツ連盟に大会から完全撤退するよう圧力をかけており、北京2022を「ジェノサイド(大量虐殺)オリンピック」と呼んだ。
サキ報道官は記者団に対し、「大会に出場するアスリートは影響を受けないが、政府の代表を送るか否かはまだ最終決定していない」と述べた。
米国は東京2020五輪にファーストレディ、パラリンピックにはカマラ・ハリス副大統領の夫であるダグ・エムホフ氏を派遣した。
しかし、議会上院は先月、北京2022への外交官の派遣および、国務省の予算の使用を禁止する法案を修正するよう提案した。民主党のナンシー・ペロシ下院議長も共産党の人権侵害を厳しく非難し、外交ボイコットを呼びかけている。
さらに、共和党のトム・コットン上院議員は18日、外交ボイコットではなく、全てのアスリート、役人、そして米国のスポンサーに大会から撤退するよう求めた。
主要な人権団体はIOCのトップスポンサーである米NBCにボイコットを働きかける可能性があると示唆している。NBCはIOC、スポーツ連盟、市民社会グループに莫大なスポンサー料を支払っている。
一方、IOCのトーマス・バッハ会長は北京2022を取り巻く様々な問題について、「IOCは中立であり、政治から離れなければならない」と繰り返し主張している。IOCは収入の約75%をスポンサーの放映権、18%をスポンサーから得ている。