◎イスラム過激派組織タリバンは現在、各地でアフガン軍と衝突し、支配地域を拡大し続けている。
7月8日、ジョー・バイデン大統領はアフガニスタンからの米軍完全撤退を擁護し、アメリカの軍事作戦は8月31日に終了すると述べた。
バイデン大統領は記者団に対し、米軍はアフガン国民の命を救ったと述べ、撤退任務は予定通りに進んでいることを明らかにした。
一方、イスラム過激派組織タリバンは現在、各地でアフガン軍と衝突し、支配地域を拡大し続けている。
米軍は2001年9月11日の同時多発テロ以来、20年近くアフガニスタンで戦ってきた。
バイデン大統領は4月、アフガニスタンの駐留米軍を9月11日までに完全撤退させると発表した。
ドナルド・トランプ前大統領はタリバンと結んだ合意文書の中で、2021年5月までに米軍を撤退させると約束したが、バイデン大統領は1月の就任時に期限を延長していた。
バイデン大統領は演説の中で、「駐留期間の延長は解決策ではなく、延長を決めれば米軍はそこで戦い続けることになるだろう」と述べた。
また、「約7万5,000人のタリバン戦闘員は30万人のアフガン治安部隊には敵わない」と述べ、タリバンはアフガニスタンを乗っ取ることはできないと強調した。
米軍はアフガン戦争のために派遣された兵士を帰国させると伝えられているが、米国大使館、カブール空港、およびその他の主要な政府施設を守るために、650~1,000人の駐留は維持すると考えられている。
主要メディアが行った最近の世論調査によると、共和党の一部の有権者は撤退に懐疑的だが、多くはバイデン大統領の決定を支持しているという。
バイデン大統領は、「米国政府と協力していた翻訳者、通訳者、その他のアフガン人を国外に連れ出すための努力を継続している」と述べた。当局によると、これまでに約2,500の特別移民ビザを発行したという。
バイデン大統領は先月、ホワイトハウスで開催された会議の中で、アフガン国民および指導者に対するアメリカの支援は続くと約束した。
米軍とNATO軍の大多数は9月11日までにアフガニスタンから撤退するため、その後の治安維持と安全保障任務はアフガン軍がほぼ単独で担うことになる。
アフガニスタンのアシュラフ・ガニー大統領は、「アフガン軍の実力はタリバンの比ではない」と主張しているが、北部地域でここ数日の間に発生した戦闘では、数千人のアフガン兵が隣国や他の地域に逃亡したと伝えられている。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官はバイデン大統領の演説の前に、「当局は暴力の増加とより大きな混乱を予想している」と述べたが、「米軍の駐留延長は戦闘の激化につながるだろう」と撤退を擁護した。
AP通信によると、駐留米軍の大多数は現在、首都カブールの基地に集まっているという。国防総省は8日、「アフガン駐留軍の最高司令官であるスコット・ミラー将軍は最終的な取り決めに基づき、今月後半に任務を終了する予定である」と述べた。
アメリカ主導の連合軍は2001年10月のアフガン侵攻でタリバンを含むジハード軍を国外に追放した。この中には9.11同時多発テロの首謀者であるアルカイダのウサーマ・ビン・ラーディンも含まれていた。