◎中国の人権問題に焦点を当てる米国議会の合同聴聞会に出席したナンシー・ペロシ下院議長は、「人権侵害を見過ごして北京五輪に進むことはできない」と述べた。
5月18日、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長(民主党)は中国共産党の人権侵害を厳しく非難し、北京2022冬季五輪の外交ボイコットを呼びかけた。
中国の人権問題に焦点を当てる米国議会の合同聴聞会に出席したペロシ下院議長は、「人権侵害を見過ごして北京五輪に進むことはできない」と述べた。
聴聞会後、記者団の取材に応じたペロシ下院議長は、北京2022の完全なボイコットを提唱するのではなく、各国は中国からアスリートを遠ざけ、企業スポンサーも撤退することになるだろうと述べた。「アスリートを称えましょう。しかし、北京五輪を強行するようであれば、外交ボイコットに踏みきりましょう。沈黙は許されません」
北京2022はコロナ危機に直面している東京2020の閉会式からわずか半年後の2022年2月4日に開幕する予定。新疆ウイグル自治区やその他の少数民族、そして香港の国民を代表する人権団体は昨年、国際オリンピック委員会(IOC)と数回会談し、2022年の開催地を変更するよう求めていた。
アメリカ、イギリス、ドイツを含む西側諸国と人権団体は先週、少数民族を弾圧し続ける共産党指導部を非難し、国連の独立した機関による調査を要求した。バーバラ・ウッドワード英国連大使は会議の中で、新疆ウイグル自治区の状況を「最悪の人権危機」と呼んだ。
米人権委員会の共同議長を務める共和党のクリス・スミス下院議員は聴聞会の中で、「IOCとアメリカを含む全ての利害関係者は、2022年の開催地の変更を要求するか、大会をボイコットしなさい」と呼びかけた。
スミス議長は演説の中で、「五輪開催国の栄誉を共産党に与えたことは間違いだった」と述べた。「野蛮な共産党を大量虐殺と虐待で非難すべきです。アメリカは大量虐殺国家を決して許しません」
ABCニュースによると、スミス議長はIOCと米国五輪・パラ五輪委員会(USOPC)に聴聞会に出席するよう要求したが、拒否されたという。
USOPCのサラ・ハーシュランドCEOは先週議会に提出した書簡の中で、「スポーツに政治を持ち込んではいけない」と述べた。「ボイコットは五輪に向けて努力してきたアスリートをひどく傷つけるだけです」
人権団体はIOC、スポンサー、各国のスポーツ連盟に圧力をかけており、北京2022を「ジェノサイド(大量虐殺)オリンピック」と呼んでいる。しかし、中国共産党はウイグル人を含む少数民族に対する虐殺、虐待、レイプ、拷問などの告発を全て却下している。
チベット行動研究所のラドン・テトン氏は先日公開されたAP通信のインタビューの中で、IOCのトップスポンサーであるNBCに働きかける可能性があると示唆した。NBCはIOC、スポーツ連盟、市民社会グループに莫大なスポンサー料を支払っている。「NBCに道徳的な質問をしたいと思っています。開催国が競技場のすぐ近くで大量虐殺を行っています。平和の祭典であるオリンピックを開催しても大丈夫ですか?」