◎市場は11月の労働力調査で失業率が6.8%に上昇したことを受け、大幅な利下げを予想していた。
カナダ銀行(中央銀行)は11日、市場の予想通り、主要金利金利を0.5%引き下げると発表した。これで同行の利下げは6月以来、5会合連続となった。
マックレム(Tiff Macklem)総裁は記者会見で、トランプ(Donald Trump)次期米大統領による関税圧力を「新たな不確実性」と指摘した。
同行の金利はこれで3.25%まで低下した。市場は11月の労働力調査で失業率が6.8%に上昇したことを受け、大幅な利下げを予想していた。
マックレム氏は声明の中で、「インフレと経済成長を制限する必要がないため、2回続けて大幅な利下げを選択した」と述べた。カナダの消費者物価指数(CPI)は同行の目標値である2%まで低下している。
マックレム氏はトランプ氏による関税圧力など、経済に対する多くの不確実性とリスクに言及した。「次期米政権がカナダの輸出品に新たな関税を課す可能性は不確実性を高め、経済見通しを曇らせている」
トランプ氏はカナダとメキシコ麻薬・移民流入対策に不満を示し、1月20日の就任初日にカナダ、メキシコ、中国の全輸入品に関税を課すと表明。カナダとメキシコは25%、中国には10%の追加関税を課すとしている。
マックレム氏は「カナダの輸出品に対する新たな関税の脅威、特に示唆された25%という値は不確実性の大きな要因である」と強調した。
またマックレム氏は「この話がどうなるかは分からず、やり取りを注視している」とした。
さらに、「次期米政権の動きはすでにカナダ経済に何らかの影響を及ぼしていると考えている」と述べた。