米国で「家庭菜園」人気高まる、人と地球に優しい始め方
家庭菜園が環境に与える利点については、庭の植物が多様性を増し、草地やデッキ、パティオを置き換えることで生態系への貢献が期待される。
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米国で家庭菜園が注目を集めている。専門家は、庭で野菜を育てることが人の健康と地球環境の双方に利点をもたらすと指摘し、これから菜園を始めたい人に向けた計画と準備の要点を紹介している。家庭菜園は有機的に旬の食べ物を供給する地域密着型の方法であり、輸送に伴う環境負荷を抑える効果があるとされる。
家庭菜園が環境に与える利点については、庭の植物が多様性を増し、草地やデッキ、パティオを置き換えることで生態系への貢献が期待される。植物は土壌中の炭素を捕捉・貯蔵し、地面の締固めを防ぎ、屋上やパティオ周辺の空気を冷やすなどの効果も報告される。また、庭で育てた野菜や果物は輸送を必要とせず、通常の店舗で購入する農産物に比べて温室効果ガス排出量が少なく済む。
菜園を行うことは健康面でも有益だとしている。ミシガン州立大学の専門家は、ガーデニングが「社会的、情緒的、栄養的、身体的」な健康利益を持つと説明する。菜園作業自体が体を動かす活動となるほか、旬の食材を新鮮な状態で収穫して食べることで栄養価が高くなる傾向にある。また、多くの家庭菜園では農薬を使わず有機的に育てる傾向があり、より多くの野菜を消費するよう促されることから、食生活の改善につながると見られている。さらに、自然とのつながりや責任感、達成感を感じることでストレス軽減や血圧低下、エネルギー増加などの効果も期待されるという。
家庭菜園を成功させるためには、適切な場所選びと計画が重要だ。野菜の多くは1日当たり少なくとも6時間の直射日光を必要とするため、日当たりの良い場所を選ぶことが基本となる。日光が限られる場合は、日陰でも育つ葉物野菜を優先的に配置することが推奨される。また、水源が近くにあると、重い水を運ぶ手間が省けて効率的に育てることができる。
土壌については、地面で直接育てる場合、まず土壌検査を行い酸性度や栄養成分を確認することが勧められる。土壌サンプルは大学の協同組合延長事務所に送付して分析を受けることができ、栽培に適した肥料や改良方法を知る手がかりとなる。土壌が不適切な場合やコンクリートのパティオしかない場合は、購入した土を用いた高床式のベッド(raised beds)を設けることも選択肢だが、コストがかかり土壌の劣化や交換が必要となる可能性もある。
菜園の規模や予算を決める際は、どれだけの費用をかけられるかを検討し、種子から育てるか、苗を購入するかを決める。また、害獣対策としてフェンスやネットを設置することも必要になることがある。
育てる作物の種類は地域ごとの耐寒性ゾーンに依存するため、住んでいる地域の気候に適した野菜を選択することが重要である。他の庭師や地元の園芸センターの情報を参考にすることで、どの品種が地域でうまく育つかを把握できる。育つ野菜を選ぶ際には、自分が普段から好んで食べるものを選ぶことも勧められる。また、花を植えて受粉昆虫を誘引する工夫も菜園全体の生産性向上に寄与するとされる。
菜園の開始時期については、地域ごとの霜の時期を把握し、それに合わせて種まきや植え付けを計画する。多くの果菜類や野菜は霜のリスクが過ぎた後に植えるのが適切だが、葉物野菜などは比較的寒さに強く早期の植え付けが可能な場合もある。種子は室内で予め発芽させることもでき、霜の時期を避けつつ栽培を早める手法として有効である。種子袋のラベルには播種時期や地植え可能な時期の目安が記載されているので、それを目安にすることが推奨される。
こうした家庭菜園は、健康的な食生活や気候への配慮を両立させる持続可能な実践として評価されており、初めての人でも計画的に準備を進めることで成功しやすい方法である。
