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米ミシシッピ州のシナゴーグで火事、放火の疑いで容疑者逮捕

逮捕された人物の氏名や具体的な起訴内容、動機については明らかになっていない。
パトライト(Getty Images)

ミシシッピ州ジャクソンにあるユダヤ教の会堂「ベス・イスラエル・コングリゲーション(Beth Israel Congregation)」で火事があり、当局が11日、放火の疑いで容疑者を逮捕したと明らかにした。

火事は10日の午前3時ごろに発生し、同市唯一のシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)であるこの建物の管理事務所や図書室などが損傷したが、ケガをした人はいなかった。消火活動にあたったジャクソン消防局はその後、これを放火と断定した。

逮捕された人物の氏名や具体的な起訴内容、動機については明らかになっていない。捜査にはジャクソン警察、消防局の放火調査班に加え、連邦捜査局(FBI)やテロ対策タスクフォースが参加し、宗教的動機の有無や憎悪犯罪としての性質も含めた調査が進められている。

SNSで共有された写真には黒焦げになった事務室や本棚が映っており、数点のトーラー(ユダヤ教の経典)が焼失または煙で損傷したことも確認された。

一方、ホロコーストから生還したあるトーラーはガラスケース内に保管され、被害を免れたという。建物の聖所部分はすすで覆われ、壁や天井に深刻な損傷が生じた。

ジャクソン市は声明で「反ユダヤ主義、人種差別、宗教的憎悪に基づく行為は、ジャクソン市全体への攻撃であり、住民の安全や信仰の自由へのテロ行為として扱われるべきだ」と述べ、こうした憎悪に基づく犯罪に断固として対処する姿勢を強調した。また、ジャクソン消防局長も「憎悪がこの街に居場所を持つことはない」として地域社会との連帯を示した。

ベス・イスラエル・コングリゲーションは州内最大のシナゴーグであり、2018年には公民権運動を記念するミシシッピ・フリーダム・トレイルの歴史的マーカーが設置された施設でもある。1967年にはクー・クラックス・クラン(KKK)による爆破攻撃の標的となり、建物が破壊された過去がある。このため、今回の放火は地域コミュニティにとって過去の苦い歴史を思い起こさせる出来事となった。

地域の宗教団体からは支援と励ましの声が上がっており、信徒らは代替の場所で礼拝を続け、復興に向けた取り組みを進める意向を示している。また、地域住民や他宗教のリーダーも、宗教の自由や多様性を守る重要性を訴え、再発防止と地域の結束を呼びかけている。捜査当局は引き続き動機の解明と関連する証拠の収集を進める方針だ。

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