米デスバレー国立公園で記録的降雨、古代湖が再び姿を現す
水は浅く、水たまりのような様相で、駐車場から徒歩約1.6キロの地点に形成されている。
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米カリフォルニア州のデスバレー国立公園にあるバッドウォーター・ベイスン(Badwater Basin)、北米で最も低い地点(海抜282フィート)に数センチの水がたまり、かつて氷河期に実在した古代湖が一時的に復活した。現地メディアが10日に報じた。
水は浅く、水たまりのような様相で、駐車場から徒歩約1.6キロの地点に形成されている。標高の低さゆえに水は排水されず、蒸発によってしかなくならないという。
再出現のきっかけは今年秋から冬にかけての記録的な降雨である。9〜11月の間に60ミリの雨が降り、これはこの砂漠地帯の年間降水量を超える量に当たる。特に11月は40ミリを記録し、1923年の記録を更新した。
このようなまとまった降雨がなければ、普段は乾燥してカラカラの塩平原が広がるバッドウォーター・ベイスンが水で満たされることはない。
この地は氷河期、12.8万〜18.6万年前、氷がシエラネバダ山脈が覆っていた時代には、降り注ぐ雪解け水や山から流れる川が谷あいに流れ込んで、最大で深さ約700フィート、長さではほぼ100マイルにもなる巨大な湖を形成していた。
しかし、気候変動や氷の融解とともに水源は絶たれ、徐々に干上がり、現在のような塩の平原だけが広がる土地となった。
今回できた湖は2024年に同じ場所に出現した湖よりもずっと浅く、大半の場所で「人のくるぶし程度の深さ」にとどまる。そのためカヤックなどを楽しめるレベルではない。
ただし、浅い水面に山並みが映り込む「鏡のような景観」は非常に美しく、訪れる価値は大きい。公園関係者は、水があるうちに見に来るようすすめている。特に水は蒸発により日に日に減少するため、早めの訪問が望まれる。
また、今回の降雨は春に砂漠一帯で花が咲き乱れる「スーパーブルーム」の引き金になる可能性もあるという。土がうまく水分を吸収すれば、2016年以来となる大規模な花の「大爆発」を見るチャンスかもしれない。
