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米国、「商用運転免許」の英語試験義務化へ、運輸省が発表

今回の措置強化は、昨年8月に発生したフロリダ州での死亡事故などを受けたもので、当局は不適格と判断されたドライバーが関与した複数の重大事故を挙げている。
2025年9月3日/米カリフォルニア州サンホアキン郡(AP通信)

運輸省は20日、全てのトラック運転手およびバス運転手に対して商用運転免許(CDL)の試験を英語で受けることを義務付ける新たな規則を発表した。今回の措置は道路の安全性を高め、資格のないドライバーの排除を目的とするトランプ政権の取り組みの一環として位置付けられている。

ダフィー(Sean Duffy)運輸長官は声明で、「ドライバーが交通標識を適切に読み取り、法執行機関と意思疎通できるレベルの英語能力を持つことが必要だ」と強調した。現在、多くの州では法的には英語能力を求めながらも、試験自体を他言語で実施している例がある。たとえばカリフォルニア州ではこれまで20以上の言語でCDL試験が実施されていたが、新規則では連邦基準に合わせて英語での実施が義務付けられる。

この措置は、いわゆる「シャム(偽物)」と呼ばれる無資格運転手や不正な教育機関を取り締まる施策と並行して推進されている。運輸省は資格要件を満たしていない施設や基準を満たさない試験実施業者が存在するとして強い懸念を示し、基準に適合しない機関の閉鎖を進めている。発表によると、557の商用運転学校が安全基準を満たせなかったとして閉鎖対象となっている。

連邦当局はまた、免許発行に関して州が規則を順守しているかの監視と強化を図るとしている。これには免許発行後の追跡調査や、道路上でのドライバー言語能力のチェックも含まれている。ダフィー氏は適切な英語能力を有しないドライバーに対しては免許の取り消しや道路から排除する措置を取る意向を示している。

今回の措置強化は、昨年8月に発生したフロリダ州での死亡事故などを受けたもので、当局は不適格と判断されたドライバーが関与した複数の重大事故を挙げている。フロリダでは不法滞在者が無理や方向転換を行い3人を死亡させる事故を起こした。このほかインディアナ州でも複数人が死亡した事故が報告されている。

さらに、運輸省は不正登録を繰り返すトラック会社、いわゆる「カメレオン・キャリア(Chameleon carrier)」と呼ばれる企業に対しても監視を強化する方針を示している。これらの企業は事故や違反後に名前を変更しながら運行を続けるケースがあり、当局は登録システムの厳格化を進めるとしている。

新ルールは全米各州に適用され、州運輸局や教育機関、運送業界には対応準備が求められる。運輸省は全てのCDL受験者が共通の英語試験基準に基づいて評価されることにより、道路安全の向上と信頼性の確保が期待できるとしている。

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