◎米国が輸入する原油の約60%、電力の85%がカナダ産である。
カナダ、アルバータ州の油田(Getty Images)

カナダ西部アルバータ州のスミス(Danielle Smith)州首相は18日、トランプ(Donald Trump)次期米大統領による関税圧力に対抗し、同州の原油と天然ガスが米国に何兆ドルもの富をもたらしていると主張した。

アルバータ州はオイルサンド由来の原油の主要産地である。

トランプ氏はカナダとメキシコの麻薬・移民流入対策に不満を示し、就任初日にカナダ、メキシコ、中国の全輸入品に関税を課すと表明。カナダとメキシコは25%、中国には10%の追加関税を課すとしている。

またトランプ氏はカナダを「51番目の州にしよう」と提案し、支持者の笑いを誘った。「小さなカナダが51番目の州になるぞ」

トランプ氏は18日、自身のソーシャルネットワーキングサービス「トゥルース・ソーシャル」に声明を投稿。「なぜカナダに年間100,000,000ドル以上の補助金を出しているのか、誰も答えられないの?意味不明だ!」と書いた。

またトランプ氏は「多くのカナダ人はカナダが51番目の州になることを望んでいます。彼らは税金と軍事保護を大幅に節約できます。素晴らしいアイデアだと思う。51番目の州!」と吠えた。

石油資源が豊富なアルバータ州のスミス氏は記者会見でトランプ氏の発言を却下し、質問に答えた。

「カナダが何十億ドルもの原材料(石油、ガス、鉱物、穀物、家畜、木材など)を米国の製油所や工場に送り、米国の企業がそれをアップグレードし、カナダを含む世界中に販売しているからです。OK?」

アルバータ州は毎日430万バレルもの石油とガスを米国に送っている。

スミス氏は「何百万もの米国の雇用と企業がカナダの手頃な価格の原材料に頼って、あなたの国で何兆ドルもの富を築いているんです。大丈夫ですか?」と述べた。

米国が輸入する原油の約60%、電力の85%がカナダ産である。

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