エア・カナダ労組がスト継続を表明、労使関係委員会の職場復帰命令無視
このストは夏の旅行シーズンを直撃。10万人を超える旅行者が足止めを食らった。
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カナダの航空大手エア・カナダは17日、労使関係委員会(CIRB)によるストライキ中止命令を「憲法違反」と批判し、ストを継続すると表明した。
政府は前日、エア・カナダの客室乗務員らによるストを終了させ、労使交渉の行き詰まりを打破するため、CIRBに仲裁を命じるよう要請した。
このストは夏の旅行シーズンを直撃。10万人を超える旅行者が足止めを食らった。
CIRBは労組に対し、17日の午後2時までに職場に復帰するよう命じた。
カナダ公共労働組合(CUPE)は17日の声明で、「組合員はストライキを継続し、会社と公正な合意を妥結する用意がある」と表明。会社に交渉の席に戻るよう呼びかけた。
エア・カナダは17日の夜までに運航を再開すると発表していた。
カナダの労働法は政府が経済保護の観点からCIRBに拘束力のある仲裁を命じる権限を付与している。
CIRBは政府とエア・カナダ寄りの命令を出したが、CUPEはこれを「憲法違反」と主張。「労働組合の権利を侵害している」と非難した。
地元メディアによると、労組がCIRBの命令を無視するのは異例。労組がストを継続した場合、政府がどのような選択肢を持つかは明らかではない。
政府は約1万人の客室乗務員に職場復帰を促し、経済に打撃を与えるべきではないと指摘。トランプ米政権が課した前例のない関税にも言及した。
労組は8ヶ月に及ぶ会社との交渉の末、16日にストを開始。この結果、会社は700便の運航をキャンセルし、約13万人の旅行者が代替手段を探したり、滞在を余儀なくされた。
労組は会社に飛行間の地上待機時間や乗客の搭乗支援に要する時間に対する補償を求めている。客室乗務員の就労時間は飛行機が移動している間のみ、カウントされる。
労使は賃上げ交渉でも対立している。
会社は4年間で38%の賃上げを提案。労組はこれを不十分とし、さらなる賃上げを求めている。