「戦争か、遠征か」トランプ氏「両方だ」イラン紛争めぐる発言のブレ
トランプ氏は13日、記者から「戦争なのか遠征なのか」と問われると、「両方だ。これは戦争を防ぐための遠征だ」と説明した。
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米国がイランに対して行っている軍事作戦をめぐり、トランプ(Donald Trump)大統領の発言が物議を醸している。トランプ氏はこの軍事作戦を「戦争」と表現する一方で、「ちょっとした遠征(little excursion)」とも呼び、記者からどちらなのか問われると「両方だ」と答えた。発言の”ブレ”は政権の対イラン政策の説明が分かりにくいとの批判を招いている。
トランプ氏は支持者集会などで、米軍の作戦について「我々はすでに勝っている」と強調し、軍事的成功をアピールしている。一方でイランに対しては、米国には「比類のない火力と十分な時間がある」と警告し、必要であれば戦闘を継続する姿勢も示している。つまり国内向けには作戦の規模を小さく見せつつ、敵国には強硬な姿勢を示すという2つのメッセージを同時に発信している形だ。
問題となっている「遠征」という言葉は、一般的には日帰り旅行や小規模な外出などを指す軽い表現である。しかし実際の戦闘では、すでに米兵13人が死亡し、少なくとも140人が負傷するなど、決して小規模とは言えない状況だ。このため、軍事作戦の実態と表現のギャップに疑問の声が上がっている。
トランプ氏は13日、記者から「戦争なのか遠征なのか」と問われると、「両方だ。これは戦争を防ぐための遠征だ」と説明した。つまり今回の軍事行動は大規模な戦争を回避するための限定的な作戦だと位置付けている。しかし同時に「彼らにとっては戦争だが、我々にとっては思ったより簡単だった」とも述べており、発言は依然として解釈が分かれる内容となっている。
こうした説明の不統一は国内世論にも影響を与えている。世論調査では、イラン攻撃を支持すると答えた有権者は29%にとどまり、64%が「政府は戦争の目的を明確に説明していない」と回答した。政権側はこうした批判について「メディアが誤った印象を広めている」と反論している。
ホワイトハウスによると、今回の作戦の目的はイランのミサイル能力や海軍力を破壊し、同国の核兵器保有を阻止することにある。実際に米中央軍(CENTCOM)はこれまでに約1万5000の標的を攻撃し、90隻のイラン船舶を破壊したと発表している。ただし作戦の最終目標や終了時期については依然として明確ではない。
トランプ氏は演説で「脅威を終わらせるまで途中でやめるべきではない」と述べ、「仕事をやり遂げなければならない」と強調している。軍事的成果を強調しながらも作戦継続の必要性を訴える発言は、戦争なのか限定的作戦なのかという位置付けの曖昧さをさらに浮き彫りにしている。こうした言葉の使い分けは国内世論を意識しつつ強硬姿勢も示すという、政治的なメッセージ戦略の一面を映しているとみられている。
