▽麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。
ワクチンを接種する男児(Getty-Images/AFP通信).jpg)
米テキサス州西部で報告された麻しん(はしか)の患者が400人に達した。保健当局が28日、明らかにした。
それによると、過去3日間の新規感染者は73人、これまでに少なくとも41人が入院している。
全米で昨年確認された麻しん患者は285人であった。疾病対策センター(CDC)はテキサス州の流行について、過去数十年で最悪と指摘している。
麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染すると一生免疫が持続すると言われている。
テキサス州保健サービス局(DSHS)によると、感染内訳は5~17歳が164人で最も多く、次いで4歳以下が131人となっている。
麻しん、おたふくかぜ、風疹(MMR)ワクチンを2回接種した人の発症はわずか2例である。
CDCは少なくとも19の州で483人の麻しん患者を報告している。テキサス州、アラスカ州、カリフォルニア州、フロリダ州、ジョージア州、カンザス州、ケンタッキー州、メリーランド州、ミシガン州、ミネソタ州、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、オハイオ州、ペンシルベニア州、ロードアイランド州、テネシー州、バーモント州、ワシントン州である。
一方、テキサス州で入院したワクチン未接種の小児にビタミンA中毒の兆候が見られるとの報告もある。
ケネディ・ジュニア(Robert F. Kennedy Jr.)厚生長官をはじめとするワクチン懐疑派は麻しんが流行する中、ビタミンAの摂取を推進してきた。
ケネディ氏は今月初め、フォックス・ニュースのインタビューで、「保健福祉省(HHS)は現在、麻しん患者のためにビタミンAを提供している」と述べ、「ビタミンAは麻しんによる死亡リスクを劇的に減らすことができる」と主張した。
世界保健機関(WHO)は麻しんの患者にビタミンAを2回投与して低ビタミンAレベルを回復させることを推奨。目の損傷や失明を防ぐのに役立つとしている。
しかし、ビタミンAは麻しんの感染を防ぐものではなく、死亡リスクを低減させる効果も確認されていない。