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米国で「麻しん(はしか)」流行続く、1カ月で700人感染

南部のサウスカロライナ州では近年記録された中で最大級のアウトブレイクが発生し、州内外で感染が拡大している。
麻しん(はしか)ウイルス(ABCニュース)

米国で麻疹(はしか)の感染者が急増しており、公衆衛生当局が強い警戒を呼びかけている。疾病対策センター(CDC)が6日に更新した最新の統計では、2026年に入ってから全国で733人の感染が確認され、昨年の4倍に達したという。これは米国が麻しんの「排除」を達成した2000年以降としても異例の急増だ。

CDCによると、過去数十年の年間麻しん症例数は約180人だったが、2025年には2276人という記録的な数に達した。今回の数値はその傾向をさらに加速させる可能性がある。こうした増加の背景には、特定の地域でのワクチン接種率の低下があるとみられている。

特に南部のサウスカロライナ州では近年記録された中で最大級のアウトブレイクが発生し、州内外で感染が拡大している。アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、アイダホ、ケンタッキー、ミネソタ、ネブラスカ、ノースカロライナ、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、オレゴン、ペンシルベニア、サウスダコタ、ユタ、バージニア、ワシントン、ウィスコンシンなどでも感染例が報告されている。ほとんどの流行はワクチン未接種または十分に接種されていないコミュニティで発生している。

麻しん、ムンプス、風疹の混合ワクチン(MMRワクチン)は通常2回の接種が推奨されるが、CDCのデータでは2019年には幼稚園児の約95%がこのワクチンを接種していたのに対し、2025年には93%未満に低下したことが示されている。集団免疫を維持するためには少なくとも95%のワクチン接種率が必要とされるが、接種率低下により約30万人の幼児が感染に対する保護を欠いているとみられる。

麻しんは非常に感染力が強く、ワクチンで予防可能な病気であることから、専門家はワクチン接種率の回復が急務だと指摘している。また、感染者が旅行を通じてウイルスを持ち込むケースもあり、ワクチン未接種者を中心に国内での感染が広がるリスクが高まっている。CDCおよび各州の保健当局は、地域社会への啓発や予防接種の促進を進めると同時に、感染拡大の監視と対応を強化している。

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