▽米国では昨年10月頃から鳥インフルが猛威を振るい、数百万羽の養鶏が殺処分され、卵の価格を押し上げている。
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農務省は先週、ネバダ州の乳牛からH5N1型の新系統「D1.1」の陽性反応が出たと明らかにした。
D1.1型はこれまで野鳥や家禽からしか検出されたことがなく、牛への感染が確認されたのは2例目である。
米国では昨年10月頃から鳥インフルが猛威を振るい、数百万羽の養鶏が殺処分され、卵の価格を押し上げている。
鳥インフルは主に野鳥が持ち込むものであり、そのフンや唾液に触れた家禽が感染し、広がる。
ヒトへの感染は稀。感染したニワトリなどを扱う際には徹底した防疫対策が求められる。
H5N1型は近年、犬、猫、アシカ、ホッキョクグマに至るまで、多くの動物から検出されるようになった。
疾病対策センター(CDC)は鳥インフルがヒトからヒトに感染したケースは確認されていないとして、公衆衛生上のリスクは低いとしている。
ネバダ州でD1.1型が確認された直後、同州の牧場の従業員から同型のウイルスが検出された。この患者は医療機関で治療を受け、容体は安定しているという。
D1.1型は重篤な状態に陥ることが確認されている。カナダ・ブリティッシュコロンビア州では1人が一時重体に、ルイジアナ州では高齢の男性が亡くなった。
CDCはD1.1型について、一般市民へのリスクは低く、現在のところヒトからヒトへの感染は確認されていないと報告している。
D1.1型に感染した乳牛の臨床症状は他の型と変わらず、食欲の減退や乳量の減少などの症状が表れるものの、ほとんどが治療を受けて回復する。
CDCによると、24年から今年2月にかけて、全国で確認された鳥インフル患者は約70人となっている。
23年の鳥インフルによる殺処分数は6000万羽を超え、過去最高を更新した。