米グレート・スモーキー山脈で男性(21歳)死亡=国立公園局
この男性は18日にテネシー州ナッシュビルで最後に目撃され、警察が20日に国立公園内で男性の車を発見したという。
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米テネシー州とノースカロライナ州の境界に位置するグレート・スモーキー山脈で21歳の男性の遺体が見つかった。国立公園局(NPS)が22日、明らかにした。
それによると、この男性は18日にテネシー州ナッシュビルで最後に目撃され、警察が20日に国立公園内で男性の車を発見したという。
男性の家族は19日に捜索願を出していた。
NPSは声明で、警察と公園当局がグレート・スモーキー山脈の国立公園内の敷地を捜索した結果、21日の午後2時45分ごろ、男性の遺体を発見したと述べた。
死因は明らかになっておらず、警察が調べている。
グレート・スモーキー山脈はテネシー州とノースカロライナ州の州境に広がるアパラチア山脈の一部であり、国立公園としても有名な地域である。この山脈はスモーキーという名の通り、植物から発散される揮発性有機化合物が霧状になり、山々を覆う青白い霞が特徴的な景観を生み出している。標高は最高地点のクリングマンズ・ドームで2025メートルに達し、比較的なだらかな稜線が続くが、深い渓谷や多様な生態系が存在する。
グレート・スモーキー山脈国立公園は1934年に設立され、現在では年間1000万人以上の訪問者を集める米国で最も人気のある国立公園の一つとなっている。公園は世界遺産にも登録され、特に動植物の多様性が評価されている。約1万9000種以上の生物が確認され、北米で最も豊かな生物相を誇るとされる。また、ツツジやシャクナゲなどの花々が四季折々に彩りを添え、紅葉の美しさでも知られている。
さらに、この地域はチェロキー族の伝統的な居住地であり、彼らの文化や歴史も色濃く残されている。19世紀にはチェロキーが強制移住させられた「涙の道」の歴史が刻まれており、文化的遺産と自然が融合した場所でもある。観光、歴史、自然環境保護の側面を兼ね備えたグレート・スモーキー山脈は、米国における自然と人間の関わりを象徴する存在といえる。