SHARE:

米南方軍が東太平洋で「麻薬密輸船」攻撃、2人死亡

SOUTHCOMは声明で、当該船舶が「既知の麻薬密輸航路に沿って航行し、麻薬の運搬に関与していた」とし、標的船舶を「指定テロ組織が運航するもの」と位置づけた。
米海軍の空母(Bloomberg)

米軍が東太平洋で麻薬密輸に関与したとされる船舶に対し攻撃を行い、乗組員2人が死亡、1人が生存した。南方軍(SOUTHCOM)が10日、明らかにした。それによると、今回の攻撃は同軍司令官の指示により、合同任務部隊「サザンスピア(Southern Spear)」が実施したものである。生存者の救助活動については、沿岸警備隊に通報しエクアドル当局が対応に当たっているという。

SOUTHCOMは声明で、当該船舶が「既知の麻薬密輸航路に沿って航行し、麻薬の運搬に関与していた」とし、標的船舶を「指定テロ組織が運航するもの」と位置づけた。攻撃に関する短い映像も公開され、小型ボートを標的にした攻撃の様子が映っていた。

この攻撃は米軍が麻薬密輸対策として船舶を標的にする一連の作戦の一環で実施されたもので、同様の軍事行動は2025年9月に開始された「オペレーション・サザンスピア(Operation Southern Spear)」に基づくものである。これまでに多数の船舶が攻撃を受け、今回を含めて少なくとも38回の攻撃で130人余りが死亡したとされる。

米側はこれらの攻撃の目的を「国際的な麻薬密輸ネットワークの壊滅」と説明し、攻撃対象を「非合法戦闘員」または「麻薬テロリスト」と断じている。しかし、一部の専門家や人権団体は死者に民間人が含まれる可能性や、国際法に抵触する「超法規的な殺害」に当たるとの批判を展開している。法的根拠について米政府が十分な証拠を公開していないことも、議論を呼んでいる。

今回の東太平洋での攻撃は2026年に入り公表された軍事作戦としては3件目であり、生存者が確認されたのは今回を含めて複数例ある。米側は生存者の救助を図る方針を示しているが、救助活動の進展や生存者の安否について詳細は明らかにされていない。

SOUTHCOMのこの種の作戦は米国が中南米地域を中心に麻薬密輸や関連犯罪の封じ込めを図るための重要な政策とされるが、国際社会からの批判や法的な懸念は依然として根強い。米政府はこれらの批判に対して、合法性の確保と地域の安全保障強化を強調しているものの、外部からの検証や透明性の確保が求められている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします