米フロリダ州でレジオネラ肺炎14例報告、ジムが関連か
レジオネラ菌は自然環境の淡水中に広く存在する細菌で、水温が温かめの環境で増殖しやすい。
.jpg)
米フロリダ州中部で少なくとも14件のレジオネラ肺炎が報告され、この集団発生がジムの利用と関連していることが分かった。州保健当局が6日、明らかにした。
それによると、症例はすべて「ジムでの曝露」に結びついているという。
ジムの名前は公式には公表されていない。ただし、地元テレビ局による報道では、オーランドにクランチ・フィットネス(Crunch Fitness)の利用者に症例が出ているとされる。
同ジムは現在、プールおよびスパ設備の一部を閉鎖し、「念のため」水質・設備の検査を進めているという。
同ジムが公表した最新の検査結果では、レジオネラ菌の検出は報告されていない。この点について、当局も同ジムもコメントは控えており、原因の特定には至っていない。
レジオネラ菌は自然環境の淡水中に広く存在する細菌で、水温が温かめの環境で増殖しやすい。温水タンク、配管、シャワーやプール、スパなどの循環設備を通じてエアロゾル(微細な水滴)となり、それを吸い込むことで肺に入り、肺炎などの重い症状を引き起こす場合がある。
この疾患は人から人への直接の感染はなく、水と空気の複合汚染を介する。したがって、施設の配管や水質管理、温水設備の清掃状態が安全性に直結する。
一般に適切な抗生物質治療で回復する例が多いが、免疫力が低い人や慢性の肺疾患を持つ人は重症化や死亡するリスクもある。実際、過去には死亡例も報告されており、発症した場合の重症度の幅は大きい。
今回の集団発生は同地域および施設の水環境管理や公衆衛生上の課題を改めて浮き彫りにした。関係当局は現在、施設全体の水質と施設構造の調査を継続中であり、他の利用者に対しても注意喚起を出している。
