◎ロシア軍は東部ドンバスの「解放作戦」は新たな段階に入ったとし、港湾都市マリウポリを含む南部全域への攻撃を強化したとされる。
2022年4月23日/ウクライナ、首都キーウの地下鉄駅構内、ゼレンスキー大統領(Efrem Lukatsky/AP通信)

ウクライナのゼレンスキー大統領は23日、首都キーウの地下鉄駅構内で行った記者会見の中で、ロシアのプーチン大統領に改めて対面の首脳会談を呼びかけた。

ゼレンスキー大統領は記者団に、「この戦争を始めたのが誰であれ、それを終わらせることができると思う」と述べ、対面の首脳会談を望んでいると明らかにした。

両国の代表はオンラインで交渉を続けているとされる。トルコは以前、首脳会談の可能性に言及したが、ロシア外務省は先日、首脳会談に否定的な考えを示した。

ゼレンスキー大統領はロシアとウクライナの和平が実現するのであればプーチン大統領に会うと述べ、対面会談を恐れてはいないと強調した。「私は当初から、ロシア大統領との直接会談を求めてきました。この戦争を外交的手段で解決するためには、彼と会わなければなりません」

またゼレンスキー大統領は西側の同盟国には信頼を寄せているが、ロシアは全く信用できないと糾弾した。

ロシア軍は東部ドンバスの「解放作戦」は新たな段階に入ったとし、港湾都市マリウポリを含む南部全域への攻撃を強化したとされる。

ゼレンスキー大統領は、24日に米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官がキーウを訪問すると明らかにした。

米国の高官がキーウを訪問するのは2月24日の開戦以来初。

ゼレンスキー大統領は、「私たちは米長官との会談で重火器の供与が確約されることを望んでおり、それらはロシアに占領された地域を奪還するうえで欠かせない」とした。

またゼレンスキー大統領は、「ロシアは核兵器を使用する可能性もある」と改めて国際社会に警告した。「ウクライナはより多くの重火器を求めています。十分な兵器が届けば、私たちは一時的に占領されている領土を直ちに奪還します」

ゼレンスキー大統領は、ロシア軍がマリウポリの拠点に立てこもるウクライナ兵や市民を殺害したり、新たに占領した領土で「偽物の住民投票」を行い分離主義国家を創設すれば、停戦交渉を打ち切ると警告した。

「マリウポルの兵士が殺されたり、南部ヘルソンで偽物の住民投票が行われたりすれば、ウクライナは交渉からも手を引きます」

また、ロシア軍に包囲されたウクライナ兵や市民を救えるのであれば、捕虜の交換にも応じると述べた。

ウクライナ当局は23日、ロシア軍がマリウポリから避難を試みた住民の車列に攻撃を仕掛けたと非難した。マリウポリには市民10万人以上が取り残されているとみられる。

ゼレンスキー大統領は、「ウクライナ軍はロシアによるマリウポリ包囲を武力で突破する準備はできていないが、政府はあらゆる可能性を検討している」とした。

ロシア軍はマリウポリ以外の都市へも攻撃を仕掛けている。政府によると、南部の港湾都市オデーサの住宅地にミサイルが着弾し、生後3カ月の乳児を含む少なくとも8人が死亡、18人が重軽傷を負った。

オデーサでは東方正教会の復活祭(24日)の準備が進められていた。

2022年4月23日/ウクライナ、首都キーウ郊外のブチャ(Petros Giannakouris/AP通信)
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