ウクライナ、米国とのドローン生産契約目指す、ホワイトハウス承認待ち
ゼレンスキー氏によると、この計画はウクライナが昨年提案したもので、複数種類のドローンと防空システムを統合した形で生産する構想だ。
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ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は12日、米国との大規模なドローン共同生産計画について、ホワイトハウスの最終承認を待っていると明らかにした。ロシアの侵攻が続く中、安価な自爆ドローンによる攻撃への対抗手段を強化する狙いがある。
ゼレンスキー氏によると、この計画はウクライナが昨年提案したもので、複数種類のドローンと防空システムを統合した形で生産する構想だ。大量のドローンやミサイルが同時に飛来する状況に対応できる統合防衛システムを構築することを目指している。現時点では「まだこの文書に署名する機会がない」としており、米政府の正式な承認が必要だという。
ロシアは2022年の全面侵攻以降、イラン製の自爆ドローン「シャヘド」を大量に使用してきた。ウクライナ外務省によると、これまでに5万7000機以上が発射され、最近では800機以上のシャヘドとおとりを組み合わせた過去最大規模の夜間攻撃も行われている。
こうした攻撃に対抗するため、ウクライナは低コストの迎撃ドローンなど独自の防衛技術を急速に発展させてきた。ゼレンスキー氏は防空ミサイルの代表例であるパトリオットが1発あたり約300万~400万ドルと高価なのに対し、シャヘドは約13万~15万ドル程度とされ、コスト差が大きいと指摘する。低価格の迎撃手段を組み合わせることで、防空体制の効率化を図る考えだ。
ゼレンスキー氏のルーマニア訪問中、この問題に言及した。同氏は首都ブカレストでダン(Nicusor Dan)大統領と会談し、ドローンの共同生産やエネルギー分野の協力に関する文書にも署名した。ウクライナは戦時中、穀物輸出の多くをルーマニア経由で行い、電力面でも連携を強化している。
またゼレンスキー氏はフランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領とも会談する予定で、ロシアが制裁を回避するために使用している「影の船団」と呼ばれるタンカー網への対抗策などが議題になる見通しだ。
一方、戦況は依然として緊迫している。ウクライナ側は特殊部隊がロシア南部クラスノダール地方の石油関連施設をドローンで攻撃し、燃料輸送網に打撃を与えたと主張している。ロシア側は別の攻撃で天然ガスパイプライン関連施設が狙われたとし、「無謀な行為だ」と非難した。
さらに、中東情勢の緊張により原油価格が上昇し、ロシアの石油収入が増加しているとの分析もある。石油収入はロシアの戦争継続を支える重要な財源で、ウクライナや欧米諸国にとって大きな懸念材料となっている。
ロシアの侵攻開始から4年以上が経過する中、ウクライナは軍事支援の確保と防衛産業の強化を同時に進めている。米国とのドローン共同生産計画はその象徴的な取り組みであり、実現すれば戦場での防空能力を高めるだけでなく、外交交渉における立場強化にもつながる可能性がある。
