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英ウクライナ首脳会談、イラン情勢に注目集まる中、支援継続呼びかけ


ゼレンスキー氏は連邦議会でも演説で、ロシアとイランの関係について「憎しみで結ばれた兄弟」と表現し、両国が軍事面でも連携していると批判した。そ
2026年3月17日/イギリス、ロンドンの首相府前、スターマー首相(左)とウクライナのゼレンスキー大統領(AP通信)

ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は17日、訪問先のイギリス・ロンドンでスターマー(Keir Starmer)首相と会談し、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援を継続する必要性を強調した。中東でのイランを巡る戦争が国際社会の関心を奪う中、両首脳は「ウクライナを忘れてはならない」と呼びかけた。

ゼレンスキー氏は連邦議会でも演説で、ロシアとイランの関係について「憎しみで結ばれた兄弟」と表現し、両国が軍事面でも連携していると批判した。その上で、各国が中東情勢への対応に追われる中でも、ウクライナ支援の継続が不可欠だと強調した。

今回の訪英の背景には中東での戦闘激化によってウクライナ戦争への国際的関心や資源が分散している現状がある。米国主導で進められてきた停戦交渉は停滞し、さらに防空システムなどの軍事資源が中東へ振り向けられることで、ウクライナの防衛力低下が懸念されている。

また、イラン情勢の緊迫化はエネルギー価格の上昇を通じてロシア経済を潤しているとされる。スターマー氏は「ロシア政府がイラン紛争から利益を得てはならない」と述べ、石油収入の増加や制裁緩和がロシアの戦争遂行能力を高める可能性に警鐘を鳴らした。

両首脳はまた、軍事協力の強化にも言及した。イギリスとウクライナはドローン技術の共同開発・生産で協力を進めており、ウクライナが戦場で培った無人機技術を西側諸国と共有する動きもある。こうした取り組みは戦況の打開だけでなく、同盟国全体の防衛力向上にもつながると期待されている。

一方、戦況そのものは依然として厳しい。ロシア軍はウクライナ各地への攻撃を続け、民間インフラや住宅地への被害も報告されている。和平交渉は進展を見せておらず、長期戦の様相が強まっている。

こうした中でゼレンスキー氏は、国際社会の関心が中東に移ることへの強い危機感を示している。ウクライナにとって西側の軍事・経済支援は生命線であり、その縮小は戦局に直接影響するためである。中東情勢とウクライナ戦争が相互に影響し合う中、両首脳は支援の継続こそがロシアの優位を防ぐ鍵だと訴えた。

イランを巡る新たな戦争が世界の焦点となる中でも、ウクライナ戦争は終結していない。今回の会談は複数の危機が同時進行する国際環境において、支援の優先順位が問われている現状を浮き彫りにした。

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