ギリシャ・アテネ近郊で山火事発生、避難命令も

火災は集落の近くで発生したと報告されており、強風で一気に燃え広がった。
2025年6月23日/ギリシャ、エーゲ海東部のヒオス島(ロイター通信)

ギリシャ・アテネ南方で26日、山火事が発生し、5つのコミュニティに避難命令が出た。

当局は気温が40度に迫る中、緊急通知を発令し、地元住民に避難を指示した。

消防によると、アテネ南方の山林に約90人の消防士を派遣し、5機のヘリコプターと8機の放水機が消火に当たっている。

火災は集落の近くで発生したと報告されており、強風で一気に燃え広がった。地元テレビ局が報じた映像では、少なくとも1軒の建物が燃えている様子が映っていた。

沿岸警備隊は声明で、「海上避難が必要になった場合に備えて、2隻の巡視船と9隻の民間船が待機している」と明らかにいた。救命艇も向かっているとのこと。

地元の町議会議員は公共放送ERTのインタビューで、「住民に自宅を離れるよう伝えている」と語った。

気象台はアテネ周辺地域全体およびエーゲ海の複数の島に山火事注意報を発令中。熱波により極端な乾燥は週末まで続く見込みである。

東部ヒオス島で週末に発生した山火事は概ね鎮火した。捜査当局は25日、放火の疑いでジョージア国籍の女を逮捕したと明らかにした。

ギリシャの山火事シーズンは6月から9月末頃まで続く。出火原因は落雷、たき火、キャンプファイヤー、花火、下草やゴミの焼却処理など。極度の高温と乾燥で自然発火することもある。

EUのデータによると、ギリシャの山火事被害は近年、悪化の一途をたどっている。21年には1300平方キロメートルが焼失。23年の焼失面積は1745平方キロメートルに達した。

23年に北部で発生した山火事は欧州史上最大級となり、数週間燃え続け、20人が死亡した。

首都アテネ東部で2018年に発生した山火事では100人以上が死亡。その一部は炎から逃れるために海に飛び込み、溺死した。

SHARE:
この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします