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2026世界幸福度ランキング、SNSの影響顕著、若者の幸福度低下も


2026報告書によると、世界で最も幸福な国は北欧のフィンランド、9年連続で首位を維持した。
2023年5月29日/フィンランド、首都ヘルシンキの通り(AP通信)

2026年版の「世界幸福度報告書」は各国の幸福度ランキングとともに、ソーシャルメディアが人々の幸福感に与える影響について重要な事実を示した。特に若年層において、SNSの利用が生活満足度の低下と強く関連している点が注目されている。

「世界幸福度ランキング」は国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」とオックスフォード大学ウェルビーイング研究センター、ギャラップ社の協力を基盤として毎年発表される報告書「World Happiness Report」によるランキングである。

2026報告書によると、世界で最も幸福な国は北欧のフィンランド、9年連続で首位を維持した。高い社会的信頼、充実した福祉制度、格差の小ささなどがその要因とされ、デンマークやアイスランドなど他の北欧諸国も上位を占めている。一方で、アフガニスタンやシエラレオネなどは下位に位置し、国家間の格差も依然として大きい。

今回の報告で特に焦点が当てられたのは、ソーシャルメディアの影響である。米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの英語圏では、過去10年で25歳未満の若者の幸福度が大きく低下し、その要因の一つとしてSNSの長時間利用が指摘されている。特に画像や動画を中心としたアルゴリズム型のプラットフォームは他者との比較や理想化された生活への接触を増やし、精神的な負担を高める傾向があるとされる。

こうした影響はとりわけ10代の少女に顕著であり、自己評価の低下や不安感の増大につながる可能性がある。研究では、インフルエンサーの投稿など視覚的に刺激の強いコンテンツが、幸福感に負の影響を与えやすいとされている。一方で、メッセージのやり取りなど社会的交流を目的とした利用は、比較的ポジティブな影響をもたらす場合もある。

また興味深い点として、SNS利用の影響には地域差があることも明らかになった。中東や南米では利用時間が長くても若者の幸福度は比較的安定しており、文化や社会環境によって影響の度合いが異なる可能性が示唆されている。

報告書は約140カ国、10万人規模の調査に基づき作成され、所得や健康だけでなく、社会的つながりや信頼といった要素も幸福度を左右する重要な要因として位置付けている。こうした結果を受け、一部の国では未成年者のSNS利用を制限する動きも出ている。

世界幸福度報告は単なるランキングにとどまらず、現代社会における「幸福」のあり方を問い直すものとなっている。フィンランドのように社会的信頼や支援が充実した国が高い評価を得る一方、デジタル環境の変化が若者の心理に影響を与えている現状が浮き彫りとなった。今後は、テクノロジーと人間の幸福との関係をいかに調和させるかが、国際社会に共通する課題となる。

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