◎メドベージェフ氏は今月初めにロシア国境を越えたと伝えられている。
マリ、首都バマコ、ロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵とみられる男たち(Getty Images)

ノルウェー当局は23日、同国に亡命を希望しているロシアの民間軍事会社ワグネルの元幹部を不法入国の疑いで逮捕したと発表した。

移民局の広報担当はAP通信に対し、「アンドレイ・メドベージェフ(Andrey Medvedev)氏を逮捕し、起訴前勾留手続きを進めるか否かを精査している」と明らかにした。

地元メディアは関係筋の話を引用し、「逮捕はメドベージェフ氏の身の安全を守る措置のひとつ」と報じている。

メドベージェフ氏は今月初めにロシア国境を越えたと伝えられている。

警察は当初、メドベージェフ氏の名前には言及せず、「国境警備隊がロシア国境付近で外国人を拘束した」と説明していた。メドベージェフ氏とみられる外国人は国境近くの民家に助けを求めたとされる。

メドベージェフ氏の弁護士は23日、ノルウェー公共放送NRKの取材に対し、「依頼人はいかなる犯罪にも関与していない」と主張した。

また弁護士はメドベージェフ氏が逮捕されたことについて、「セキュリティ対策であると認識しており、依頼人は問題に対処できる」という見方を示した。

メドベージェフ氏はこの弁護士がSNSに投稿した動画で「国境を越える際、ロシア当局の銃撃を受けた」と説明している。

ノルウェー警察は以前の声明で、「ロシア国境警備隊から12日遅くに何者かが不法に国境を越えたことを示す痕跡が見つかったと連絡を受けた」と明らかにしていた。

NRKによると、ウクライナ侵攻の戦争犯罪捜査に参加しているノルウェー刑事警察はメドベージェフ氏の尋問を進めていると明らかにしたという。メドベージェフ氏は20日に尋問を受けたとされる。

ノルウェー通信(NTB)は警察筋の話を引用し、「メドベージェフ氏はワグネルとその活動、プーチン(Vladimir Putin)大統領に近い実業家であるワグネル創設者のプリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏について、知っていることをすべて話す用意ができていると証言した」と報じている。

メドベージェフ氏がワグネルから離反したのは昨年7月から11月の間と伝えられている。同氏は自分が目撃した戦争犯罪について証言する用意があると述べる一方、戦争犯罪への関与は否定しているようだ。

ワグネルの傭兵はウクライナ東部戦線にロシア国内の刑務所から集めた受刑者を多数投入しているとみられる。

2023年1月12日/ウクライナ、東部ドネツク州バフムート近郊(LIBKOS/AP通信)
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