◎IOCはウクライナ侵攻が続いているにもかかわらず、「戦争を積極的に支持していないロシア・ベラルーシ選手」のパリ大会出場を検討するとしている。
欧州歴訪中のゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は10日、パリ五輪の問題について協議するサミットに出席する予定だ。
これは英政府が主催するものであり、オンライン形式で30カ国のスポーツ相などが出席する。
ゼレンスキー氏はロシアとその同盟国であるベラルーシ選手のパリ五輪出場に強く反対し、両国の中立参加を検討する国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ(Thomas Bach)会長に東部ドネツク州バフムートの前線を視察するよう提案した。
IOCはウクライナ侵攻が続いているにもかかわらず、「戦争を積極的に支持していないロシア・ベラルーシ選手」のパリ大会出場を検討するとしている。
ウクライナ政府は出場禁止措置を維持するよう同盟国に働きかけ、ボイコットも辞さないと警告している。
英政府はこの問題について、ウクライナを公式に支持している。ポーランド、バルト諸国、北欧諸国は参加を認めればボイコットもあり得ると警告した。
ゼレンスキー氏は以前、ロシアの中立参加は「五輪を血で汚す」と発言し、怒りを表明している。報道によると、同氏はオンライン会議で演説する予定だ。
ゼレンスキーは8日にイギリスとフランスをサプライズ訪問し、英国議会で演説。欧米諸国の中で最初に戦車供与を決断したことに謝意を示し、さらなる支援を要請した。10日のサミットの議長はフレイザー(Lucy Frazer)デジタル・文化・メディア・スポーツ相が務める。
フレイザー氏は9日、「この野蛮な侵略が始まってから1年が経とうとしている」と声明を出した。「我々はIOCに五輪の価値観がどのような意味を持つか、明確に示すよう求めなければなりません。この違法な侵略には結果が伴うことを明確にする必要があります。ロシアの選手たちが世界の舞台でイギリス代表や他の選手団と一緒に並ぶことを許すわけにはいきません」
ポーランドを含む一部の欧州各国の指導者もIOCが中立参加を認めればボイコットも辞さないと警告している。
パリのイダルゴ(Anne Hidalgo)市長は五輪までに戦争が続いていれば、ロシア・ベラルーシ選手の参加を認めるべきではないと発言した。