◎イタリア当局によると、2020年以降、ベネチアを訪れた日帰り客と宿泊客数は年間2000万~3000万人と推定されている。
イタリア、ベネチアの通り(Getty Images)

イタリア・ベネチア市当局は24日、オーバーツーリズム対策として導入した国際観光旅客税の期間を延長し、料金を2倍の1人あたり10ユーロ(約1600円)に増やすと発表した。

ベネチア市長室は声明で、「日帰り観光税の強化はオーバーツーリズムを抑制し、市民の生活に影響を与える大混雑を抑制するためのものだ」と強調した。

新税は2025年4月18日から7月27日までの毎週金曜日から日曜日と祝日、合計54日間適用される。これは今年のほぼ倍の日数である。

また4日前までに予約をしなかった観光客は現行の観光税5ユーロの2倍、10ユーロを支払うことになる。

このルールは午前8時半から午後4時までのピーク時に適用される。住民、ベネチア生まれの観光客、学生、労働者、ホテルやその他の宿泊施設を予約している観光客は免除される。

ベネチア市当局によると、今年4~7月の観光税による税収は約240万ユーロ(約4億円)。実施日に観光税を支払った人は約1000人にのぼったという。

しかし、ベネチア市当局は24日の声明で、「この取り組みは失敗と言わざるを得ず、オーバーツーリズムはほとんど解消されなかった」と明らかにした。

それによると、観光税導入後も期待されたほど観光客は減らず、23年より多くなった日もあったという。

一部の市民団体や野党も観光税を低く設定しすぎていると指摘していた。

ベネチアは西欧を代表する観光地のひとつ。イタリア当局によると、2020年以降、ベネチアを訪れた日帰り客と宿泊客数は年間2000万~3000万人と推定されている。

ベネチアの人口は約5万人に過ぎない。

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